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アップルのApp Store定期購読サービスの反響--出版業界の懸念 - (page 3)

文:Greg Sandoval(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2011年02月18日 11時33分
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タブレットの王者

 新聞社の中には、Appleは出版業界をApp Storeに縛り付けて、自分は「料金徴収係」になろうとしているのではないかと考えているところもあるという。このように述べるのは、ハーバード大学ニーマンジャーナリズム研究室の室長で、以前はDallas Morning Newsで働いていたJoshua Benton氏だ。

 「iPad用アプリに便利な『購入』ボタンを付けるのと引き替えに、(パブリッシャーは)売り上げの30%を差し出さなければならないと知って落胆した」(Benton氏)

 Benton氏は、新聞や雑誌がApp Store以外の販売分はすべて取っておけるというAppleの提案には、大した意味はないとも述べている。新聞社は既に、昔からの読者とは関係を築いているため、そのような読者をiTunesに移行させる必要はない。iPadは、新しい読者を引き寄せるのに役立つとされている。そうした読者が新しいデジタル出版物を発見するのは、新聞広告からではなく、iTunes Storeだ。

 そうなった場合、新聞社はAppleに売り上げの30%を支払わなければならない。

 AppleとiPadがタブレット市場の王者であることは疑いようもない。しかしAppleは大きなリスクも負っている。雑誌や新聞の発行元は、Appleが提案している内容をあまり気に入らないだろうが、Appleはそれよりも踏み込んでいる。メディア関係者の間ではAppleに対する不信感は大きい。

 Appleが音楽業界を持ち出すことなく新しい分野に進出するとは誰も思っていない。音楽業界のデジタル流通をほぼ手中に収めてからのAppleは、価格設定や宣伝など、重要なことなら事実上何についてでも、条件を定めるようになった。大手レコード会社は、Appleの支配を弱めてくれるiTunesのライバルを10年間探し求めている。

 iTunesが最初に発表されたとき、Appleの最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏は、あまり技術に明るくない音楽業界の幹部を相手にしていた。Jobs氏はかつて、音楽業界の幹部を「テクノロジを知らない人々」と言ったことがある。

 雑誌の出版社や新聞社は、Appleが構築を手助けした新しいタブレットの世界を進もうとしているが、果たして出版業界は「テクノロジを知らない」のだろうか。それが今の疑問だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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