電子雑誌のこれからとプレミアム広告の現状--アドビのeマガジン戦略を聞く - (page 3)

Liversidge氏:タブレット端末がeマガジンの閲覧に適していることは明らかです。今年は80種以上のタブレットが発売されると報道されていますし、AndroidやBlackBerryの端末など、今後増加することは確実でしょう。Adobeはクロスプラットフォーム戦略を採用していますから、それらにもコミットすることになりますし、市場への参加を歓迎しています。

 タブレットの大きさですが、やがて7インチと10インチに二分されると見ています。Adobeではこれを好機ととらえ、どちらのサイズにも対応する方針です。4インチで読みたいというニーズもあるでしょうが、ことeマガジンに関するかぎり、よい読書体験は得られないのではないでしょうか。Adobeとしても出版社としても、当面はタブレットが主戦場になるという考えです。

--最後に、電子出版分野での戦略と展望を教えてください。

Liversidge氏:出版分野では雑誌、eマガジン分野へ特に注力します。他企業とともにソリューションを共同開発し、出版社や新聞社に提供していきます。ソリューションの開発を継続し新たなプラットフォームを立ちあげる――Adobeのエンジニアチームはかなり忙しくなるでしょうね。

 今後の展望ですが、出版社が電子出版に一層熱心になることは明らかです。取り組み方も、紙そのものをデジタル化する方法あり、デジタルならではのインタラクティブ性を持たせる方法ありと、出版社によりさまざまですが、結局は“消費者に購入してもらう”ということに尽きます。買ってもらえなかったら、発行部数を伸ばせなかったら、広告がどれだけインタラクティブでも意味がありませんよ。出版社との関係構築や他企業との提携強化などいろいろ取り組んでいますが、1つ言えるのは、App Storeに載せるだけでは部数の増加につながらない、ということです。

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