グーグル「Art Project」の技術--協力会社幹部インタビュー - (page 4)

文:Daniel Terdiman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2011年02月14日 07時30分

--このプロジェクトでは実にさまざまなGoogle APIが組み込まれているようですね。どのAPIを組み込むかについて何か意見はあったのでしょうか。どうやってAPIを選んだのですか。

Brush氏:確かにこのサイトでは非常に多くのGoogle APIを使用しています。どのAPIを使用するかの評価は、まずエクスペリエンスを設計し、次に必要なことを達成できるAPIを利用できるかどうかを確認する、という手順で行いました。実際そうなったように、一般に公開されているAPIを使用してサイトのほぼ全体を構築することができました。Schematicが構築しなかった要素が2つあります。作品をズームインして見ることができる「顕微鏡」ビューアと、カスタマイズ版のStreet Viewです。いずれもGoogleのチームによって構築され、われわれが設計して構築したUIフレームワークに組み込まれました。ちなみにこのGoogleチームのメンバーを当社の技術責任者は「正真正銘の天才たち」と呼んでいます。全体として、APIを非常に柔軟に活用することができたといえます。

--このプロジェクトで作品をStreet Viewモードで表示することも、直接表示することもできる点についてお話しいただけますか。これをどう処理するかを決定する際の問題点は何でしたか。

Brush氏:その点はサイト全体の構築の中で最も困難な部分でした。作品にズームインするには別のビューアを読み込む必要があることがわかっていたので、クリックすると画像ビューアを読み込むリンクをStreet View内に作成しました。課題は2つありました。第1の課題は、Street View内に作品の鑑賞を妨げないようなリンクを置くことでした。画像の上に重なるようにはしたくなかったのです。第2の課題は、どの作品にリンクするかを把握することでした。最終的には、Street View内の作品画像とギガピクセルレベルの作品画像をマッピングするカスタムツールを作成しましたが、マッピングの多くは手動で行いました。とても大変な作業でした。

 また、通常のStreet Viewでは、前方の視野にさまざまな要素が表示される形が標準となっています。このプロジェクトでは、リンクがリンクであることがユーザーにわかるようにすることと、展示室での鑑賞の妨げとならないようにすることとの間でバランスを取る必要がありました。このために、展示室内に表示するリンクのサイズを室内装飾に応じて変えるシステムを構築しました。装飾の多い展示室ではアイコンを大きめにし、装飾の少ない展示室ではアイコンを小さめにました。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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