大手レコード会社は、Appleが「iPod」で音楽業界に参入して以来、Googleのような規模の企業が人気のコンシューマー向け電子デバイス(「Android」搭載携帯電話)を手に音楽業界に乗り込んで来たのを見たことがなかった。Googleには、デジタル音楽販売を掌握している「iTunes」に対抗できるような強力なマーケティング力と潤沢な資金がある。加えてGoogleには、オンラインで音楽を楽しめる場として最も人気のあるサイトの1つとなったYouTubeがある。YouTubeの中で音楽動画は最も人気のあるジャンルだ。
AppleのiTunesに挑む時期としては今が適しているように思える。iTunesは今も音楽業界のMichael Jordanと呼べる存在ではあるが、同じJordanでもWashington Wizards時代の体が重くなり動きが鈍っていたころに似てきている。
Appleの広報担当者は本件についてのコメントを差し控えた。Googleにインタビューを申し込んだがすぐには回答を得られなかった。
iTunesのダウンロードストアは依然として世界のオンライン楽曲販売全体の70%超を占めているが、iTunesが成熟するにつれて同ソフトウェアは肥大化してきた。一部のユーザーは、iTunesによってコンピュータのパフォーマンスが低下するという不満を述べており、iTunesが非常に刺激的な音楽サービスだったのはずいぶん前のことだと言っている。音楽関連で最近行われたiTunesの重大発表の2つは、The Beatlesの楽曲を販売することと、より長い試聴サンプルを追加することだった。確かに悪くない進化ではあるが、iTunesの長期的な見通しを明るくするほどのものとはいえない。
音楽業界人を悩ませているのは、デジタル楽曲の売り上げが横ばいであることだ。アナリストが過去に行った予測を信じれば、デジタル楽曲の売り上げは今後数年間で2桁台の成長を記録するはずだった。
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