サンフランシスコ発--MicrosoftがGoogleの検索結果を模倣しているとしてGoogleがMicrosoftを非難した数時間後、両社の関係者は、「模倣すること」と「ユーザーの声を聞くこと」の違いについて、巧みに攻撃の言葉を浴びせ合った。
GoogleのMatt Cutts氏とMicrosoftのHarry Shum氏は、米国時間2月1日に開催のカンファレンスFarsight 2011において、カメラの前で微笑んで見せたが、互いに対する軽蔑をほとんど隠そうとしなかった。MicrosoftがGoogleページにおける「Internet Explorer」ユーザーからのブラウザクリックデータを使用して「Bing」の検索結果に情報を表示しているかどうかを、Googleが罠をしかけて試したと明かした後に、両社の関係者が公の場に姿を現したのはこれが初めてだった。
MicrosoftはGoogleの主張を軽く受け流そうとはしていない。Shum氏は「スパムとクリック詐欺の新たな出所が見つかったに過ぎないとわたしは見ている」と述べ、Microsoftはユーザーがどこをクリックするかを観察することで、他の検索企業と同様に情報を収集していると主張している。つまり「ユーザー」の概念を「Bing.comで検索するユーザー」だけでなく「Internet Explorerのユーザー」に拡大しているだけだという。Shum氏はパネルディスカッション開始直前に公開されたブログ記事に、「今日の記事で見たのは、検索結果ランキングの下位に極端な外れ値を生成するというスパイ小説ばりの離れ業だった」と記している。
これはCutts氏にとって全く聞き捨てならないことだった。同氏は「このようなことは今まで見たことがない」とパネルディスカッションで述べ、検索結果を表示するためにBing自体でのクリックではなくブラウザのクリックデータを使用していることでMicrosoftとShum氏を非難した。Cutts氏はパネルディスカッション開始前に、Googleが作成した偽のキーワードとその結果ページを、Bingでの同じキーワードと比較する4つのスクリーンショットをノートPCで見せる用意をして、サンフランシスコにあるカリフォルニア大学のカンファレンスセンター内を回った。
モデレーターのVivek Wadhwa氏はディスカッションの話題を変えようとしたが、Shum氏とCutts氏の言い合いは30分の持ち時間ほとんどに及び、Blekkoの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるRich Skrenta氏は、ところどころでどうにか話す機会を得ようとするだけだった。
Microsoftのコアサーチエクスペリエンス担当コーポレートバイスプレジデントであるShum氏は、Googleが「AdSense」を通じてウェブスパムを助長していると非難し、GoogleがAdSense広告によってスパムや質の低いコンテンツから多額の利益を得ていると主張した。Cutts氏はこれを否定し、Googleがスパム投稿者をランキングから除外する場合はその企業や個人のAdSenseアカウントも停止すると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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