HP、取締役を大幅に変更--新取締役は5人

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:湯本牧子、福岡洋一2011年01月21日 11時31分

UPDATE Hewlett-Packard(HP)は、前最高経営責任者(CEO)Mark Hurd氏のスキャンダルを脱してからわずか数カ月で、取締役会の体制を一新させようとしている。

 HPは米国時間1月20日、4人の取締役を交代させるとともに、新たに1人を加えることを明らかにした。退任するのはJoel Hyatt氏、John Joyce氏、Robert Ryan氏、Lucille Salhany氏だ。新たに就任するのは外部から招くメンバーで、Booz & CompanyのCEOを務めるShumeet Banerji氏、General Electric(GE)の最高情報責任者(CIO)を務めていたGary Reiner氏、Alcatel-LucentのCEOを務めていたPatricia Russo氏、AXA Private EquityのCEOを務めるDominique Senequier氏、そしてeBayの元社長兼CEOで、2010年の米カリフォルニア州知事選に出馬していたMeg Whitman氏だ。

 これら5人の新取締役は、2011年3月に行われるHPの次回年次株主総会で再任のための投票にも臨む。

 HPの非常勤取締役会長を務めるRay Lane氏は声明で、「これらの新たな取締役を加えることにより、現取締役陣がすでにHPにもたらした傑出した能力と幅広い経験がさらに多様化される」と述べた。

 Lane氏はまた、退任する4人のメンバーに謝意を表し、「過去半年における経営陣変更という困難な時期に、粘り強く効果的な取り組みによってHPを導いた」とたたえた。

 上級独立取締役を務めていたRyan氏は、「HPの取締役として、この素晴らしい会社が技術リーダーおよびイノベーターとして自社の資産を築き上げるのを目にするのは、大変光栄」だったと述べた。同氏はまた、Lane氏と2010年9月にHPの社長兼CEOに就任したLeo Apotheker氏に対する信頼の念を示した。

 「HPには、引き続き会社を前進させるための強力なリーダーシップを持つチームがある」とRyan氏は述べた。

 取締役交代のタイミングは、前CEOのHurd氏の退職をめぐる状況について、HPが調査を開始する準備を整えたことに関係しているようだ。現在、HPのライバルであるOracleのプレジデントを務めているHurd氏は、2010年8月、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑を受けてHPのCEO職を辞任した。その後の調査では、同氏がHPに不正な経費報告を行っていたことが明らかになった。

 1月19日夜には、HPがこの調査を「独立」させて、Hurd氏の退職後にHPの取締役に加わったメンバーと外部の弁護士からなる委員会に委ねる意向だと報じられた。つまり19日夜の時点で、取締役の中ではApotheker氏とLane氏の2人しかこの条件を満たしていなかった。

 だが新たに複数の取締役を指名したことで、新メンバー全員がこの調査に参加する資格を得る可能性が出てきた。残りの6人の現取締役、Marc Andreessen氏、Lawrence T. Babbio, Jr.氏、Sari M. Baldauf氏、Rajiv L. Gupta氏、John H. Hammergren氏、G. Kennedy Thompson氏にこの資格はない。

 今回の措置はApotheker氏にとって、新しい風を吹き込むための方策でもある。交代前の時点で、取締役の何人かは在任期間が10年になろうとしていた。Salhany氏は2002年に取締役に指名され、Ryan氏は2004年、Joyce氏とHyatt氏は2007年に指名された。留任する現取締役の中で在任期間が長いメンバーは、Babbio, Jr.氏(2002年から)とHammergren氏(2005年から)だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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