ジョブズ氏の病気療養--再燃する後継者問題とクック氏の手腕 - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:編集部2011年01月18日 14時32分

 DisplaySearchのアナリストRichard Shim氏は「これは長期的な問題だと思う」と述べる。「Appleが将来に向けて準備をしていることについては、多くのことが示している。Appleには才能ある人材が豊富だ。問題は、これら人材すべてが、技術業界で最もカリスマ的で影響力のある1人の人物に直属していることだ」(Shim氏)

 これらの人材が、グループとしてどれほど優れているか。それは、長期にわたるJobs氏不在の間でのみの判断ができる。ここで言うグループに属するのはCook氏以外ではマーケティング担当でAppleの宣伝文句に磨きをかけるPhil Schiller氏、最高財務責任者(CFO)でAppleの収支を見ているPeter Oppenheimer氏、デザインの第一人者であるJonathan Ive氏、Appleの小売事業全般担当バイスプレジデントRon Johnson氏、そして、ハードウェアエンジニアリング担当の人物(Bob Mansfield氏)やソフトウェアエンジニアリング担当の人物(Bertrand Serlet氏)だ。

 トロントにあるAurion Capital Managementで投資管理者を務めるGreg Taylor氏は、Apple投資家の一部は、Jobs氏不在の間、一時的に一息入れたいと考えるかもしれない、とBusinessweekに対して述べた。Jobs氏は、不在期間がどれくらいになるかについて述べておらず、Cook氏または他のメンバーがJobs氏をまね、消費者が技術製品に望むことにおいて、Appleをはるか先に推し進めることができるかは分からない。

 Taylor氏は、「他のどこよりも1人の人物との関わり合いを深めてきた企業、それがAppleだ」とBusinessweekに述べている。「彼は、会社の手本として、そして、重要な革新者の1人として自分を描いてきた。Steve Jobs氏が少しの間休養に入るという事実は、人々にとって、お金の一部をテーブルから下げたいと思わせる懸念事項に十分なり得る」(Taylor氏)

 ウォール街は、17日の休日から市場が再開する18日にネガティブな反応を示すと思われる。

 また、18日は、株式市場取引終了後にAppleが2011年第1四半期決算を発表する日でもある。投資家は、Cook氏などの幹部に、Jobs氏の特定の健康問題や復帰予定日について質問する機会を得るだろう。前回と同じなら、Appleは、この問題に関して質問をあまり受け付けないと思われる。

 しかし、Cook氏がAppleの主要イベントで繰り返し姿を見せていることや、先週ニューヨークで開催されて注目を浴びたVerizon版iPhoneの発表におけるAppleの顔という同氏の活動、そして、決算発表の電話会議で今ではおなじみとなった同氏の南部調の落ち着いた話しぶりは、投資家にとって同氏を安心材料とみなすうえでの一助となり、Appleの直近の将来への自信に対してくらった一撃を和らげるうえで役に立つかもしれない。

Steve Jobs氏は、Tim Cook氏(左)を主要イベントのステージに上げることが増えてきていた。この写真は、iPhone 4のアンテナ問題の記者会見で、Bob Mansfield氏(右)とともに質問に答える両氏。 Steve Jobs氏は、Tim Cook氏(左)を主要イベントのステージに上げることが増えてきていた。この写真は、iPhone 4のアンテナ問題の記者会見で、Bob Mansfield氏(右)とともに質問に答える両氏。
提供:Josh Lowensohn/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。

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