LG、東芝、VIZIOはいずれも、2011年のCESでパッシブ偏光方式の3Dテレビを発表した。中でもLGやVIZIOなどは、従来のアクティブシャッターモデルと比較して新しいパッシブ方式3Dテレビが優れている点をアピールした。
なぜテクノロジを切り替えたのか。ソニーやパナソニックといった大手メーカーは売り込みの姿勢を変えず、今もアクティブシャッター方式を使用している。しかしLGは、アクティブシャッター方式の3Dテレビの提供を続ける一方で、テレビ製造業界の多くのメーカーで使われているディスプレイパネルの製造大手でもあり、先日、これまでより低コストでパッシブ方式用ディスプレイを製造することに成功したという。USCの最高経営責任者(CEO)であり同社エンターテインメントテクノロジセンターのエグゼクティブディレクターであるDavid Wertheimer氏はこのように指摘する。パッシブ方式用ディスプレイの製造に使用されるフィルムの製造にはこれまで多額のコストがかかっており、そのことが3Dテレビの初期モデルの多くでアクティブシャッターテクノロジが採用された理由の1つだという。
またWertheimer氏は次のように述べている。「多くの人がパッシブ偏光方式の方が快適だと感じる。メガネの重さも、通常のメガネの上にかけたときも、パッシブの方が優れている。長時間見ても実に快適のようだ」
混乱を大きくしているのは、アクティブ方式の3Dよりもパッシブ方式の3Dが優れているとされる点について、さまざまな報告がなされていることだ。LGは、アクティブシャッター方式ではユーザーが吐き気を催したり、目に不快症状が現れたりすることがあると警告している。しかし3D映像の視聴に関連する健康上の懸念はアクティブシャッター方式に限ったものではない。任天堂も、同社が提供するメガネ不要のポータブル3Dビデオゲーム機「ニンテンドー3DS」は、視力の発達に影響を及ぼす懸念があるため6歳未満の子どもには適していないと警告している。
パナソニックとしては、3Dテクノロジが二分されている状況は長く続くことはなく、アクティブシャッター方式とパッシブ方式の対立は、ビデオフォーマットのBlu-rayとHD DVDの対立のように収束していくだろうと考えている。
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