アップルがiPadを発表して以降、各社がサービスを続々発表し、文字通り「電子書籍元年」の様相を呈した2010年。年末になり国内メーカーからも端末が発表されており、その勢いは2011年以降さらに加熱することが予想される。ここでは、CNET Japanで取り上げた記事をもとに、電子書籍に関する動向を振り返っていきたい。
2010年最初に話題になったのは、米Amazon.comの電子書籍リーダー「Kindle DX」のニュースだ。これまで同社が提供してきた電子書籍リーダーのKidleでは対応していなかった日本語PDFにも対応。日本を含む世界100カ国以上で販売された。
アマゾンの電子書籍リーダー「Kindle DX」が日本からも購入可能に
一方でAppleは米国時間1月27日、サンフランシスコで開催した特別イベントでiPadを発表。数カ月の間、発表が噂されていたタブレット型端末は、驚きを持ってユーザーに受け入れられた。
iPadの発表以降、国内の出版社や作家らの動きも活発化してきた。まず出版業界全体の動向としては、2月に出版社31社が「電子書籍出版社協会」を設立。電子書籍の規格統一やビューワの研究を進めると発表した。また6月には、IT系の専門書や実用書を手がける出版社14社が「電子書籍を考える出版社の会」を設立。またこのほかにも大日本印刷と凸版印刷も7月、電子出版制作や流通関連事業者向けの協議会を設立している。
出版31社が電子書籍出版社協会を設立、「紙とデジタルの共存を」
DNPと凸版、電子出版ビジネスの発展を目的とした協議会を設立
出版社、新聞社ごとの動きもさまざまだ。講談社が5月に京極夏彦氏の新刊を書籍とiPadアプリとして同時期に発売したほか、小学館も6月に「週刊少年サンデー」のiPhoneアプリを提供。アプリ内課金の形で漫画の配信を開始した。iPhoneアプリで新聞そのままのコンテンツを無償配信してきた産経新聞もiPad向けに「産経新聞HD」を発表。月額課金でのサービスを開始した。朝日新聞も4月、PC向けの電子書籍サービス「WEB新書」をスタートした。角川グループでは、角川書店をはじめとしたグループ10社のコンテンツを提供する「BOOK☆WALKER」を発表。12月よりiPhoneとiPad向けにコンテンツ配信を開始している。
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