現段階では、筆者は日常の作業用のプラットフォームとしてChrome OSを使うことはできない。しかし、もっと大局的に見ると、Chrome OSは特にネットブックのようなローエンドマシンの市場において、Windowsのシェアに食い込む可能性を秘めている。低性能なマシンにインストールされたWindowsからは、無理矢理搭載されているような印象を受けるが、Chrome OSは動作が少し遅いことを除けば、適切なOSという感じがする。Windowsは消費者にとっての「埋没費用」であるというありふれた議論は通用しなくなるだろう。経済的な観点から見ると、Chrome OSのアプリケーションは、携帯電話向けアプリケーションストアのように、無料の広告支援型か安価なものになるだろう。トレーニングの埋没費用に関して言えば、ユーザーは既にChrome OSの使い方を知っている。Chrome OSは大きなウェブブラウザに過ぎないからだ。
Cr-48はiPadのような楽しいコンピュータではない。贈り物としてはひどいものだろうが、Chrome搭載ノートPCは非常に手ごろな価格になると思う。とはいえ、Chrome搭載ノートPCはユーザーが取っつきやすく、開発も容易に行える重要な新プラットフォームだ。初期のChrome用「アプリケーション」はブックマークと大して変らないが、これらのアプリケーションはすぐに改善され、よりアプリケーションに近いサイトに進化する可能性が高い。Chrome OS搭載マシン上でのオフライン機能やファイルシステムアクセスなどの機能が考えられる。
Cr-48を1日使ってみたが、思っていたほど同デバイスを好きにならなかった。動作速度は遅いし、アプリケーションもまだない。しかし、コンピュータ使用時間の大半をオンラインとGoogleアプリケーションの中で過ごす人にとっては素晴らしいプラットフォームであり、今後も改善されていくだろう。「KIN」のように存在感が薄くなったり、忘れられたりすることはないはずだ。Chrome OSは、アプリケーションやサイトの制作者にとって、堅実な開発対象であるようだ。Chrome OS搭載ノートPCの価格が適切に設定されれば、ネットブック市場にもう一度火を付けることになるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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