「Cr-48」をレビュー--「Chrome OS」搭載テスト機の実力やいかに - (page 3)

文:Rafe Needleman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年12月15日 07時30分

 しかし、ウェブを中心に据えるというChrome OS搭載ノートPCの性質は、閉所恐怖症的な感覚を抱かせることがある。ファイルシステムに対するユーザーインターフェースがない(実際には存在するが見つけにくい)ということは、写真やダウンロードしたファイルを簡単に管理できる方法がないということだ。例えば、デジタルカメラで撮影した写真をChrome OS搭載ノートPCにアップロードして、TwitterやFacebookに投稿したいという場合、幸運を祈るとしか言いようがない。ストレージにローカルのリソースを使う機能は、Chrome OS体験の中で仕方なくサポートされているに過ぎないように思える。写真やスクリーンショットの管理には苦痛が伴う。

 利用したいアプリケーションのChrome版が用意されていないということもある。現在のアプリケーションの多くはウェブベースのバージョンも用意しているが、多くの場合、本物のアプリケーションの代わりになるほどの性能はない。筆者が個人的なテスト目的で使用しているのはEvernoteだ。EvernoteはWindowsや「Mac OS X」「iOS」「Android」版のアプリケーションを補足するウェブ版が用意されているが、使用時の動作速度は実際のアプリケーションに遠く及ばない(Evernoteの最高経営責任者(CEO)であるPhil Libin氏が筆者に語ったところによると、もっとアプリケーションに近いアップデートされたウェブクライアントがいずれ登場するという)。

 このプラットフォームにはネイティブの「Skype」アプリケーションもまだ搭載されていない。筆者の知る限り、きちんと機能するサードパーティー製のSkypeクライアントもない(Imoウェブクライアントも試したがSkype通話は機能しなかった)。Cr-48はSkypeを頻繁に利用する人には向いていないが、ウェブカメラなどSkypeの動作に必要なすべてのハードウェアを搭載していることを考えれば、本来ならSkypeユーザー向けのマシンであるべきだ。

 ウェブブラウジング用のプラットフォームとしてみると、Chrome OSは多くの点で優れている。同OSはFlashをサポートしているため、動画やゲームコンテンツを問題なく実行できる(「Silverlight」が必要なNetflixには対応していない)。ウェブページの表示速度も申し分なく、サイトからサイトへ移動したいときは、物理的なキーボードを備えていることが大きな威力を発揮する。ウェブコンテンツを読むプラットフォームとしては、Cr-48の存在価値はない。これで文章を読もうという気にはならないだろう。

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