3Dコンテンツを見るためにプラスチック製のメガネをかけるのは格好悪いとAppleが考えていても、それほど驚くことではない。
実際、洗練され、クールでシンプルなイメージが定着しているAppleが、メガネがなくてもきちんと認識できる3D画像の投影方法について、特許を取得していたことがわかった。
このシステムの仕組みは次の通りだ。まず、各ピクセルが凹凸を持ち、光を反射する素材の表面に投影される。ここから反射されたピクセルが視聴者の左目と右目に別々に入り、3D(立体)効果を生み出すというものだ。このシステムでは個々の視聴者の両目の位置を検知するため、複数の人々がさまざまな角度から視聴できるという。
この特許は米国時間11月30日に米特許商標庁(USPTO)によって認められた。出願書類によると、Appleが考え出したこの技術が目指すのは、「視聴者が完全に自由に妨げなく動きまわれる、安価なオートステレオスコピック(自動立体視)3D表示」だという。これならば、3D表示に特殊なメガネは不要で、視聴者は見る角度を制限されたり、3D効果を得るために座って動かないでいるよう強制されたりすることはないはずだ。
興味深いことに、Appleは今回の特許出願で、視差バリア、ボリュームディスプレイ、ホログラムなど、現時点で既に存在するメガネ不要の3D技術を不十分とする理由まで説明している。
Appleによると、東芝やシャープのホログラム方式では処理能力を必要とするほか、視差バリア方式では視聴者が動きに制約を受けるうえ、2人以上の人が同時に見るには問題があるため、これらの技術では不十分だという。今回の特許出願書類には、「視聴者が完全に自由に妨げなく動きまわることのできる、高効果かつ実用的で効率が良く、シンプルで安価なオートステレオスコピック3D表示は、依然として必要とされている」との記述がある。
もちろん、どんな特許でもそうだが、特許が取得されたからといって近いうちにAppleブランドの3Dプロジェクタが登場すると期待していいわけではない。今回の特許はもともと2006年に出願されているうえ、こうした技術はIT企業が何かの時に備えて確保しておきたがるタイプのものと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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