(編集部注:こちらの記事は、12月1日公開の「Virgin、「iPad」向け月刊デジタル雑誌「Project」を創刊」にオリジナル英文記事中にある未翻訳部分を追加し、一部を再編集して公開しています)
ニューヨーク発--人間の脳には、きらきら輝いていて、滑らかで、触ってくださいと言わんばかりのものを見るとすっかり夢中になってしまう回路が隠れているに違いない。結局のところ、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏はその回路に訴えるやり方で製品を売っている。
しかし「iPad」の良し悪しは、iPadで何ができるか次第だ。その意味でこのデバイスは暗黙のうちに、デベロッパーや起業家にとって、エベレストに登ったり英仏海峡を泳いで渡ったりするようなちょっとした挑戦ということになる。iPadで何ができるのか。タッチスクリーン、加速度計、インターネット接続といったiPadの機能を活用して、滑らかで触り心地のよいものすべてに対する人間の欲求を引き出すにはどうすればよいだろうか。その方法はうまくいくだろうか。
そこでVirgin Groupの億万長者Richard Branson氏に、Jobs氏の課題を自身の「やることリスト」に加えてもらおう。Branson氏は大陸をまたがって消費者向け航空業界に革命をもたらし、観光客を宇宙旅行に連れ出して、地球を救うことを目指す人物だ。同氏は米国時間11月30日朝、流行のCrosby Street Hotelの映画上映室で壇上に立ち、iPad向け月刊誌「Project」を発表した。Projectは「クリエイティブな人々のためのクリエイティブな人々についての本当の意味でのデジタル雑誌として最初のもの」だという。
英国のデジタルコンテンツ会社Seven Squaredとの協力で開発されたProjectは、マルチメディアをふんだんに使った見栄えのするものだ。操作に慣れるのに少し時間が必要になる。上下にスワイプすると同じ記事の「ページ」間を移動することができ、左から右にスワイプすると別の記事に移動することができる。画面の下をクリックすると目次に戻るリンクやバックナンバー(1部2.99ドル)の「ライブラリ」を見るリンクが表示される。ウェブリンクの一覧、動画クリップや音声クリップ、一風変わった画像操作方法のヒントなどがポップアップで表示されて驚くことがあるかもしれない。創刊号で世界中の農家レストランのシェフたちに取材した記事では、タイトルページに「土」がかかっており、iPadのタッチスクリーンでその部分を払うと、タイトルを見ることができるようになっている。また東京案内の特集記事には、「Google Earth」の3D航空画像と、夜が更けるにつれて東京上空を動く雲をコマ落としで撮影した写真が使われている。
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