iPad向け雑誌「Project」--Virginの狙いとNews Corp.との関係 - (page 3)

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年12月03日 07時30分

 Branson氏はそのような見方を否定しようと懸命になっているようにも見えるが、一方では、滑らかでセクシーなものを好む例の傾向を自分の頭の中で着実に育てているようで、敵対関係という捉え方を誘っているようだ。

 Branson氏は次のように語っている。「ここ数日間、わたしがある新聞王との間で始めたという戦いについての多くの記事を読んだ。これは戦いでも戦争でもない。出版の未来だ。これを戦いと呼ぶなら、品質の上での戦いという意味でその考えを受け入れよう。そして競争が始まれば、われわれのチームが間違いなく勝つことに同意してもらえると思う。結局のところ選択の問題だが、ある程度の競争があっても害はない」

 その後同氏は、Virginの幹部たちを「倹約家」と呼び、この出版事業に携わっているフルタイムの従業員がわずか20人であることを強調し、「Rupert Murdoch式の広告予算は決して持ち合わせていない」と付け加えた。

 確かにProjectのマーケティング手法は主として「ゲリラ」式のものだ。主要都市のさまざまな場所に新聞紙で覆われた奇妙なマネキンを配し、今後発行されるProjectの表紙デザインのコンテストに応募するための資料にアクセスできるUSBメモリの「隠し場所」をそのマネキンに持たせた。Projectが読者層として狙っているクリエイティブな考えを好むジェットセッターたちに実にふさわしい戦略だ。文化的に洗練された人々を読者層として想定することは、ProjectがNews Corp.のライバル紙と一線を画すものとなる根拠としてBranson氏が暗に示した点の1つだ。Murdoch氏の大衆向け路線についてBranson氏は、「わたしはNews Corp.が発行する『News of the World』などの新聞を30年読んできてよくわかっている。ぜひとも品質本位で、内容の質で判断してもらいたい」

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