従来の携帯電話の機能を取り込んでいることでしょう。ワンセグやおサイフケータイもそうですが、細かい機能でも携帯電話の使い勝手を踏襲しています。
たとえば、日本語入力では、日本語変換以外に記号の入力、デコレーションもいままで携帯電話と同じ感覚で使えるようにしています。テンプレートを選んで文字を入れて色を変えるというところまで同じにしています。細かいところですが、重要なんです。“あ”を3回押すと“う”が出てきますが、英数カナで変換すると“111”に変換できます。au携帯電話の仕様ですが、これも入れているのです。しかもフォントもモリサワ新ゴを採用して見やすくしています。フォントは明朝などにも変えられます。
赤外線通通信もそうですし、名刺リーダもそうです。携帯電話で標準的な機能を携帯電話と同じ利便性で搭載しているのです。
要素技術とデバイス開発です。従来のスマートフォンと同じサイズの中に、スマートフォンと同じ機能のほか、CCDカメラやワンセグを入れています。1つがコンビネーション液晶です。スタイリッシュで高級感を演出するために、フラットなデザインが重要でした。液晶にキーを表示させる必要があるのですが、従来の液晶だと消えているときにはキーも消えてしまい、のっぺりとした雰囲気になります。そこで、メモリー液晶を組み合わせようとしたのです。ただし、2種類の液晶をそれぞれ搭載するとサイズが大きくなります。そこで1枚のガラス内に違う液晶を配置したコンビネーション液晶を開発しました。
カメラも従来のスマートフォンだと500万画素クラスでした。しかし携帯電話は1000万画素を超えたものが主流になっています。シャープのCCDは800万画素の上は1200万画素でした。さすがに1200万画素だと本体に入りきらない。そこで、960万画素CCDを新規に開発したのです。シャッターボタンは半押しが可能です。HDサイズの動画も撮影できます。スマートフォンでも、カメラ機能を妥協せずに、携帯電話と同等のカメラ性能を搭載しているのです。
いままでスマートフォンは、ビジネスユースとか、ヘビーユーザーのための特別なものだったと思います。それが一般的なものへと広がっていくと思っています。タッチパネルを搭載した携帯電話はありましたが、OSやシステム側でもともと持っていた機能ではありませんでした。しかし、スマートフォンでは標準の仕様となっていますので、前面をすべて使ってインターフェースを作れるため、自由度が高くなるのです。
たとえば、年配の方に向けては文字やキーを大きくするとか。小さな子には、ひらがなで表示するとか。このような切り替えは、従来の携帯電話ではなかなかできないのです。
このように、高機能な携帯電話としてのスマートフォンではなく、一番使いやすい携帯電話という切り口でスマートフォンが広がっていくことを期待しているのです。
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