NECと日本オラクルは10月29日、中規模システム向けに新たなインメモリ型のデータウェアハウスソリューションを製品化し、同日より提供開始することを発表した。
同ソリューションは、両社のビジネスインテリジェンスおよびデータウェアハウス(BIおよびDWH)領域での協業強化の一環となる。NECのハードウェア上での性能テストや障害テストを両社共同で日本オラクルの「Oracle GRID Center」において実施。これにより、データサイズに応じた性能と可用性、拡張性を確認した検証済みの構成となり、ユーザーは従来と比べ低コストで性能の高いDWHシステムを構築することが可能になるとしている。
同ソリューションは、データベースのデータ量に合わせ、500Gバイトモデル、1テラバイトモデル、そして1テラバイトモデルを2つ組み合わせた2テラバイトモデルの3つの構成が用意されている。また、最新のCPU、メモリを搭載したNECの「Express5800シリーズ」、および大容量のストレージキャッシュ、ファイバーチャネル(FC)帯域を実装可能な「iStorage Dシリーズ」と、日本オラクルの「In-Memory Parallel Execution」および「Advanced Compression」を連携させた。
In-Memory Parallel Executionは、日本オラクルの最新データベース「Oracle Database 11g」のインメモリ技術で、メモリ上にキャッシュされた大容量データに対してパラレル処理することで、ディスクI/Oを削減し性能を向上させるデータベース技術。また、Advanced Compressionは、データベースに格納されるデータを3分の1から4分の1に圧縮し、管理するデータ容量の削減、アクセスするディスクI/Oの削減、メモリ上のキャッシュの有効活用を実現する日本オラクルのOracle Databaseのオプション製品だ。
これにより、従来のディスクに対するパラレル実行と比較した両社の共同検証によれば、データサイズが2テラバイト以下という中規模システム向けに最適なDWHを想定した構成でありながら、同等のDWH処理における性能を最大14.1倍、平均9.6倍高速化できたとしている。また、オラクルのクラスタリング技術「Oracle Real Application Clusters」を使用することで、高い可用性を確保したとしている。
同ソリューションの希望小売価格は、500Gバイトモデルの最小構成時で1335万5000円(税別)からとなる。NECと日本オラクルは、今後も引き続き密接に連携し、BIおよびDWHソリューションの機能強化、ならびに販売とマーケティング活動の強化を図っていくという。
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