内部告発サイト「Wikileaks」は米国時間10月22日、厳しさを増していた米軍や政府当局者からの一連の警告を無視する形で、イラク戦争に関する膨大な機密文書を公開した。
計40万点近くの機密文書からなる米軍の軍事報告書の一部は、事前に文書を提供されていた一部報道機関のウェブサイトなどで、22日の午後からネット上に公開され始めた。
英国のThe Guardianは、イラク戦争に関する記録に基づき、降伏しようとしたイラク人兵士を攻撃ヘリコプター「Apache」の乗組員が殺害したと報じた。Al Jazeeraの分析からは、米国防総省が、拷問に関するイラク兵の申し立てを無視するよう部隊に指令を出していたことが明らかになった。ドイツのDer Spiegelは、今回の大量の情報公開を単に「米軍史上最大の暴露」と報じた。
研究者やアナリストが膨大な数のファイルに目を通すには数週間、場合によっては数カ月間かかりそうだ。ファイルは、warlogs.wikileaks.orgで閲覧できる(The New York Timesは抜粋部分を編集することにした。また、Wikileaks.orgのメインサイトは22日の記事執筆時点でオフラインのままだ)。
公開の数時間前、Obama政権はWikileaksにファイルを公開しないよう求め、報道機関に対してはWikileaksに協力しないよう要請していた。
国防総省は、イラク戦争に関係するファイルがネット上に流出(実際には「氾濫」だ)した場合に備えて、事前に準備を進めていた。対策本部を設けて、流出した可能性が最も高いと考えられるファイルを調べ、情報公開によって現行の軍事行動が危険にさらされるかどうかの評価に努めていた。
国防総省の広報担当官は、流出した文書を閲覧しないよう米軍部隊に注意を促した。米海兵隊のDave Lapan大佐は22日、「公開されても、この情報は依然として機密扱いだ」と述べた。
Wikileaksは2010年の夏、アフガニスタンに展開する米軍部隊からの極秘の急送公文書を公開し、その情報量はおよそ100Mバイト分にも及んだが、その後すぐに非難と脅しの入り交じった反応が続いた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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