大変身を遂げた新型Apple TV詳細レビュー(前編)

文:Matthew Moskovciak(CNET News) 翻訳校正:石橋啓一郎2010年10月22日 08時00分

 海外では初代よりずっとコンパクトになった新型Apple TVが売り出されている。この記事では、99セントでテレビ番組のレンタルができるなど、話題が多いこのデバイスについて、米CNET Reviewsが前編と後編の2回に分けて詳しくレビューする。

長所:値段が99ドル。iTunes Storeから映画やテレビ番組をレンタルできる。一部のFoxおよびABCのテレビ番組を、HD解像度、99セントの価格でレンタル可能。驚くほどコンパクトなデザイン。優れたユーザーインターフェース。iPad、iPhone、iPod touchから操作可能。iTunesを動かしているPCやMacから、音楽や動画をストリーミングできる。11月から将来有望なAirPlay機能が提供される予定。

短所:テレビ番組の数は非常に限られており、Amazon Video On Demandに比べるとかなり少ない。Apple TV iTunes Storeで提供されているコンテンツと、PC用のiTunes Storeで提供されているものに混乱が見られる。iPhoneやiPadで利用できるメディアアプリケーション群に使えないものがある(Pandoraなど)。HDMI端子を持たない古いテレビには接続できない。

結論:99ドルというApple TVの低価格は、Netflixをリビングで利用したいというAppleファンの衝動買いを誘うだろうが、コンテンツが増えるまで、あるいはAppleが予定しているAirPlayのアップデートが提供されるまでは、購入を控えた方がいいかもしれない。

レビュー:気付いていない人もいるかも知れないが、映画やテレビの見方には革命が起きつつある。ケーブルテレビや衛星放送などの従来のサービスは押され気味で、Netflix、iTunes、Amazon Video On Demandなどのサービスを使い、インターネットから直接コンテンツをストリーミングしている人が増えている。この改良版Apple TVは、動画ストリーミングビジネスを攻略しようとする同社の、積極的な一手だ。たったの99ドルで、iTunesストアからNetflix、YouTube、テレビ番組、映画にアクセスできる上に、ネットワークに接続されたiTunesを動かしているコンピュータに置かれている、すべての音楽や動画を視聴できる。デザインやユーザーインターフェースも売り込みには最高の出来で、Appleファンが購入を我慢するのは難しいだろう。

 Apple TVの欠点はとにかくコンテンツだが、これはこの手の製品にはもっとも重要な側面だ。現在のところ、サポートされているテレビ局ネットワークは、ABC、Fox、Disney、BBCだけで、それらのネットワークにしても、「Modern Family」や「House」といった多くの有名な番組が提供されていない状況だ。これは、ケーブルテレビの契約をやめてしまおうと考えている人にとっては不十分で、特に競合デバイスのRoku XDSでは、すべてのネットワークのテレビ番組をストリーミングしているAmazon Video On Demandを利用でき、まもなくHulu Plusの提供まで始めるということを考えれば、なおさらだ。

 とはいうものの、Apple TVの欠点はコンテンツについてだけであり、これはソフトウェアアップデートを行ったり、他のテレビネットワークと新しい契約を結べばすぐに直ることだ。99ドルとしては、今のままでも大変なものであり、特に互換性のあるApple製品を持っている人であれば、コンテンツをリビングで見る手段が欲しいと思うだろう。われわれはAppleがより多くのテレビコンテンツとサードパーティサービスを追加してくれるのに期待するとともに、提供まで数週間後に迫ったAirPlay機能が、コンテンツの方程式をどの程度変えるのかを待つことにしたい。われわれはAirPlayが提供されたら、この製品を詳しく再評価するつもりでいる。

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