サブスクリプション型サービスへの移行はMicrosoftにとって非常に大きな賭けである。MicrosoftはこれまでOfficeとWindowsから多くの製品群を築き上げてきたが、いずれもサブスクリプションサービスとしては一般的に販売されていない。同社は「Equipt」で短期間の実験を行ったことがある。EquiptはOfficeとウイルス対策ソフトウェアを年間のサブスクリプションサービスとしてバンドルした消費者向け製品だ。MicrosoftはEquiptのローンチから1年も経たないうちに「Windows Live OneCare」の中止を決定し、Equiptの販売を終了した。Windows Live OneCareはEquiptを構成していた有料ウイルス対策プログラムである。
少なくとも現時点では、Office 365にはWindows版のOfficeのみが含まれる予定だが、ウェブベースのアプリケーション群はPCと「Mac」の両方で動作する。
「必ず『Office for Mac 2011』を顧客に提供するオプションの中に含めるつもりだ」とChambers氏は述べる。Microsoftは既に一定数以上のボリュームライセンス契約を締結している企業に対し、同製品のWindows版とMac版を選択できるオプションを提供している。このオプションはBoeingなどの企業が利用している。
Officeをサブスクリプションベースで提供することにはリスクが伴うが、Capossela氏は、この戦略によって実際にはMicrosoftの利益が拡大する可能性もあると述べる。
「Microsoftの中堅市場の顧客については、常にOfficeの最新版を利用しているわけではない。『x』年ごとにOfficeを購入しており、Officeを購入しない年は、われわれにコストが発生する」(Capossela氏)
Microsoftはソフトウェア提供の料金を得る(同社の伝統的なビジネスモデル)だけでなく、そのソフトウェアの動作に必要なテクノロジリソースについても料金を請求することで、企業のテクノロジ予算をより多く手に入れようとしている。
Microsoftは、「Business Productivity Online Suite(BPOS)」という長くて言いにくい別名で呼ばれていた、同社のホスト型ソフトウェアの名称も改めた。MicrosoftのチーフマーケティングストラテジストであるDavid Webster氏によると、名称にOfficeを含めることは、この製品にMicrosoftの旗艦ソフトウェアスイートが含まれていることを潜在顧客に知らせるために重要だったという。
Webster氏は電話によるインタビューの中で、「優れた製品にふさわしい名前とは、人々がその価値を理解でき、その製品で何ができるかが分かるものだ。それはツイートや検索、発見が可能なものであり、これらはすべて今の時代の名称に必要な要素である」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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