米国時間10月18日にAppleが開催した決算発表の電話会議において、同社最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、ある噂を否定した。それは、サムスンの「Galaxy Tab」のような今後登場するミニスレートを迎え撃つため、Appleが7インチ「iPad」の製造を開始しようとしているという噂だ。Jobs氏は、これらデバイスは「中途半端」で、到着時死亡(Dead on Arrival)となるだろうと述べた。同氏によると、同サイズのスクリーン上にあるアイコンに対して普通の人の指は大きすぎ、正確に押すことができないという。
同氏は、「Appleは大規模なユーザーテストを実施し、このことを非常に理解している」と述べ、「タッチスクリーン上でアイテムをどれくらい近くに配置できるかについては限界があり、優れたタブレット用アプリを作成するには10インチが最小スクリーンサイズであるのはそのためだ」と説明した。
また、同氏は、「タブレットは、スマートフォンと競合できない。すべてのタブレットユーザーが自分のポケットにスマートフォンを持つようになるとしても、ポケットに収納可能にするためにスクリーン領域をあきらめるのは、その代償としては好ましくない」とも述べた。
ここでJobs氏は、いつもの確信に満ちた話し方をしており、それは非常に説得力があるように思えた。しかし、このようなことは、今回が初めてではない。ある製品を作ることについて、同氏が自分の会社では興味がないと公言したにも関わらず、その製品が後になって同社から出てくることはこれまでにもあった。そのことを頭において、同氏の過去の発言を振り返ってみよう。
Jobs氏は他にも「騙すような」発言をしているが、WiredのGadget LabのブロガーBrian Chen氏がこのことを上手くまとめている。だが、重要なのは次のことだ。Jobs氏は、自分の意見を述べた時点における事実を語っているだけかもしれない。しかし、もっとシニカルな人ならば、同氏の発言を疑って捉えることができるはずだ。まず、クリスマスシーズンの売り上げに悪影響を与えないための努力として、Jobs氏は、Appleが新しいiPadをすぐにでも出すのではと人々が考えることを望んでいない(同氏を信じるなら2011年4月の可能性が高い)。また、わたしは申し訳ないが、スマートフォンが出回っている現状を考えた場合、小さなスクリーンサイズに対して人の指が大きすぎるという議論を信じることができない。
その上、わたしは、iPadをほぼ毎日使っているが、もっと小さく、そして、軽ければと思うことが多い。実際、Appleは、次世代機を少しだけスリムにすることはできる。もちろん、持ち運ぶには少しだけ重いままの可能性はあるが(わたしは、仕事に持っていくのを止めてしまっている)。
事実、もし、より小さな7インチのiPadと現行モデルという選択肢が与えられるなら、わたしは小さな方を選ぶだろう(特に、価格が399ドルからであれば)。恐らく、わたしの希望的観測にしか過ぎないが、Steve、わたしはあなたを信じてはない。あたなは小さなタブレットを作るだろう。いつになるかはわたしにもわからない。だが、きっと作るだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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