「Windows Phone 7」を搭載したスマートフォンが間もなく発売される。欧州では10月21日、米国では11月8日が発売日だ。では、Windows Phone 7を搭載したスレートの可能性はあるのだろうか?
Appleの「iOS」はスレートでも採用されているし、「Android」をベースとしたスレートもある。であれば、Windows Phone 7搭載スレートはどうだろう?機密で進んでいるWindows Phone 7スレートプロジェクトはないのだろうか?
Microsoftの幹部は2010年5月、この可能性を否定した。そして、米ニューヨークで10月11日に開催されたWindows Phone 7のローンチイベント「Consumer Open House」でいろいろと探ってみた結果、可能性はやはり「ノー」に思える--少なくとも、近い将来は。Windows Phoneスレートに関して、かなり魅力的なモックアップの動画や画面ショットを作成した人もいるので、残念な話ではある。
Microsoftは端末の画面サイズに制限を設けることで、Windows Phone OSが動くフォームファクタへの制約を設けている。Windows Phone 7の搭載を許可する端末の画面は、4インチ程度が最大だとMicrosoftの代表者から聞いた。
覚えている人もいるだろうが、Microsoftは「Windows 7」でも同じようにメーカーに制限を課したといわれている。Microsoftはここで、「Windows 7 Starter」同Home Basicを事前インストールするOEMに対し、ハードウェア仕様の制限を変更したのだ(対角10.2インチが、「小型のノートPC」と「フル機能のラップトップ」の「決定的な境界線」と定義したようだ)。
これを考えると、PCメーカーが携帯電話の画面より大きな画面でWindows Phone 7を動かしたいと思ったとしても、Microsoftのライセンス条項により不可能だろう。
ということは、“Windowsスレート”を提供したいメーカーには2つの選択肢が残されることになる--Windows 7を事前インストールする、あるいは「Windows Compact Embedded」を事前インストールする、だ。Windows Compact Embeddedは確かに、MicrosoftがWindows Phone OSを構築する際に土台とした(かなり手を加えた)のと同じコアを持つが、OEMが同じコア上でMicrosoftの特許とライセンス条項を侵害することなく、Windows Phone OSそのものを「再現」するのは不可能に見える。つまり、スレートメーカーがWindows Phone 7に似たルック&フィールを持つ端末を開発できたとしても、実際に同じOSが動いているのではない、ということになる。
将来的にこの状況が変わることはあるのだろうか?あるかもしれない。Microsoftの幹部がメリットがある、あるいは必要だと感じれば、画面サイズ制限は撤廃されるだろう。また、Microsoftは先にARMとARMアーキテクチャの使用権についてライセンス契約を結んでおり、ARM上で動くWindowsバージョンを--どこかの段階で--リリースするのではないかという憶測も出てきている。Microsoft Researchでは「Project Menlo」も進んでいる。将来、Windows Phoneスレートの実現につながるかもしれない。
Windows Phone 7スレートが登場したら、買いたいと思うだろうか?Windows Phone 7搭載機を実際に触ってみて、わたし個人はWindows Phone 7スレートはなかなか興味深そうだと思っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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