UPDATE ニューヨーク発--Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏がこれまで数年間、「iPhone」を究極の普遍的な携帯端末であると主張してきたとすれば、MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏が最新モバイル向けOS「Windows Phone 7」で出した答えは、その逆である。
Ballmer氏は米国時間10月11日、当地でのWindows Phone 7の正式披露において、万人向けの単一の携帯電話などというものは存在しないが、万人向けの単一のOSは存在し得ると、控えめながら示唆した。
「すべての人が、Windows Phoneを試して、『この端末は自分に合っているかも』と感じるはずだ」とBallmer氏は説明した。
それを目標に、米国内で9種類のWindows Phone 7搭載端末が、Dell、HTC、サムスン、LGの各メーカーから発売される予定である。「キーボードを搭載する携帯電話もある」とBallmer氏は、同氏の前に並べられた全9種類の端末を紹介しながら述べた。「LGの電話のようにテレビ対応の電話もあれば、このサムスン製のもののように画面が非常に美しいものもある。このHTCの端末は画面が非常に大きく、もちろん、このDell製の端末のように堅牢で、非常に厳しい使用条件に耐える電話もある」(Ballmer氏)
Windows Phone 7搭載電話のうちの5機種は11日、ある程度まで披露された。AT&T向けには、企業向けの「LG Quantum」、メディア重視の「HTC Surround」(Dolby Surround Soundスピーカーにより、現時点で最も人気が高い)、そして「Samsung Focus」が、すべて11月8日に発売予定である。T-Mobile向けには、「HTC HD7」と「Dell Venue Pro」が発売される。
Microsoftは、Windows Phone 7によって、この市場を独占するAppleの「iOS」よりも柔軟性が高く、Googleが構築した、自由に拡張可能な「Android」オープンソースソフトウェアよりは不確定部分の少ない、それらの中間に位置するOSを提供するつもりである。Twitterユーザーの@DerickPは、同イベントのライブカバレッジを見ながらこれを、「iDictatorship」(iOSの独裁主義)と「Androidarchy」(Androidの無政府主義)の「happy medium(うれしい中間)」と表現したが、まさにそういえるだろう。
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