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解説:富士通の「京」出荷開始で改めて考える次世代スパコンの存在意義 - (page 2)

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 富士通は、次世代スパコンにおいて、単に「性能世界一」だけを目指しているわけではない。それは、富士通の執行役員副社長である佐相秀幸氏が述べた「365日間に渡り、低消費電力できっちりと安定稼働させることができる点にこだわった」という言葉にも表れている。

 もちろん、これはIBMの次世代スパコンに抜かれることを意識した発言と捉えることもできるが、「スパコンプロジェクトは、富士通の技術を牽引しているもの。その観点からも、実際に活用することができるということを最も重視している」と、「安定稼働」の強みをあえて強調する。

 それを補足するように、富士通次世代テクニカルコンピューティング開発本部・常務理事の井上愛一郎氏も、「理論上のピーク性能の高さを競うのではなく、実際に運用できる状態を指す実効性能を追求すること、そして、低消費電力と高信頼性を両立している点が、他の国のスパコンとは異なる。単に力ずくでピーク性能を追求するような発想では、スパコンを開発していない」と続ける。

富士通ITプロダクツでの「京」の生産の様子
富士通ITプロダクツでの「京」の生産の様子

 心臓部となる8コアプロセッサの「SPARC64 VIIIfx」は、128GFLOPSのピーク性能を誇りながら、58wの低消費電力を実現。消費電力あたりの性能はハイエンド領域では世界最高を誇る。また、コンパイラとプロセッサを協調する独自開発の「VISIMPACT」により、マルチコアCPUを仮想的な1つのコアと見なして処理することで通信量を削減。さらに、インターコネクト「Tofu」により、CPU間接続時のオーバーヘッドの抑制と、故障CPUの回避を達成している。

 「Tofuにより、システムの一部を切り出して運用したり、どこかのノードが壊れても継続運用することが可能になる。Tofuは“豆腐”を語源にした命名だが、どんなに切っても豆腐は豆腐。煮ても焼いても豆腐であるということから、可用性の高さを意味している」とする。

 これら、富士通が30年以上に渡りスパコン開発で蓄積してきた独自技術が、京を支えているのだ。

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