Amazon Web Servicesに新しい選択肢が登場した。研究分野で現在広く利用されている、スーパーコンピューティングクラスタの生の計算能力だ。
新サービスの「Cluster Compute」は、Amazon.comが最初期に提供を開始したサービスの1つである「EC2」(Elastic Compute Cloud)のバリエーションだ。Amazonによる米国時間7月13日の発表によると、Cluster Computeは標準的なEC2より処理パワーが向上しており、クラスタの計算ノード間のネットワーク接続が高速化して通信が向上しているという。一方で、顧客の利用に応じた料金支払いというサービスの理念は維持されており、利用が増えると料金は増加する。
このクラスタサービスは、Linuxと顧客のソフトウェアを多様に組み合わせて利用でき、作業を独立した複数ピースに分割し同時に実行する平行タスクに最適だ。
米ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)のコンピュータ科学者Keith Jackson氏によると、EC2の特定用途バージョンであるCluster Computeは通常版より優れているという。同氏はAmazonの発表のなかで「実施した一連の総合的なベンチマークテストで、われわれの高性能コンピューティング(HPC)のアプリケーションは、『Cluster Compute Instances for Amazon EC2』上で実行したとき、従来のEC2のインスタンスに比べて8.5倍高速だった」と述べた。
具体的にどれくらい速いのだろうか。数値演算のスピードテスト「Linpack」で、880個のノードからなるクラスタは、41.82テラフロップ(1秒間に41兆8200億回の浮動小数点演算)に到達した。これに対し、最速スーパーコンピュータ「Top500」の最近のリストでは、145位のマシンが持続的なスピードとして41.88テラフロップを達成している。(Amazonは、同社のテストが持続的な性能を測定したものなのか、それとも数値は高いが持続的ではないピーク性能のものなのかを説明しなかった)。
Cluster Computeは、Amazonのテストで使われたものより大幅に少ないノード数を基準に販売される。サーバ1台に搭載されるプロセッサは、クアッドコアの「Nehalem」アーキテクチャによる「Intel Xeon X5570」が2基だ。各インスタンスは1時間の利用で1.60ドルとなる。あるいは、4290ドル(1年間)または6590ドル(3年間)を支払うと、その期間は1時間の利用料が56セントに下がる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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