欧州連合(EU)は、Appleが「iPhone」「iPad」「iPod Touch」の開発者に対する制限を緩和したことを受けて、同社に対する独占禁止法に関連する2件の調査を終了した。
欧州委員会(EC)の競合政策担当副委員長Joaquín Almunia氏は、ベルギーのブリュッセルで現地時間9月25日に発表された声明で、「われわれの予備調査に対する同社の回答から、欧州委員会は、正式な手続きを開始することなく、競合規則を適用することにより、消費者の明確な利益を維持しつつ、市場における迅速な結果を達成することができることが明らかになった」と述べた。
ECは2010年春、AppleのiPhoneのビジネス慣行に対する2件の調査を開始した。1件は、アプリケーション開発者らにApple独自のプログラミング言語およびツールのみを使用することを求めるAppleの決定に関するものである。もう1件は、製品を購入した国でしか保証修理が受けられないというAppleの規定に関するものである。
ECは声明の中で、「iPhoneアプリケーション用の開発ツールに関する制限を緩和し、EU/EEA圏内において国境を越えたiPhoneの保証修理サービスを導入するというAppleの発表」を受け、調査を終了する予定であると述べた。
国境をまたがる保証に関する制約は、「居住国以外の加盟国でiPhoneを購入し、修理サービスを必要とする欧州の消費者が経験していた問題を解決する」と声明には付け加えられている。
Appleは米国時間9月9日、同社規則を変更し、App Store Review Guidelinesを公開するという驚くべき行動に出た。業界では、欧州における調査と、米連邦取引委員会(FTC)がAdobeの要請を受けて2010年6月に開始した調査の影響を受けた動きであると、広く考えられている。Adobeは、Appleの制限規則によって、「Flash」またはFlashベースのシステムを稼働しないiPhone向けに、アプリケーションを共同開発することが困難または不可能になったと不満を述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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