受信機の感度は10万倍--IBM、米Mojixの高性能RFIDシステムを日本向けに提供

富永恭子(ロビンソン)2010年09月13日 16時05分

 日本IBMと米Mojixは9月13日、高性能RFIDシステム「Mojix STAR system」の日本向け販売を開始し、日本IBMが独占販売契約を締結したと発表した。また、日本IBMはMojix STAR Systemを稼働するために必要なハードウェア、ソフトウェア、アプリケーション、サービスをひとまとめにして短期間での導入を可能とするターンキーソリューション「Mojix STAR System スターターキット」を合わせて発表。同日より提供を開始している。

 Mojix STAR systemは、は、超遠距離宇宙通信テクノロジと新しいアーキテクチャを採用したRFIDシステム。先進的なデジタル信号処理技術を採用した「デジタル・パケット無線システム」として、読取距離、読取範囲、信頼性、スケーラビリティにおいて、これまでの業界標準を越える機能を搭載しているという。日本IBMによれば、従来のUHF帯RFIDリーダと比較して、受信機の感度が10万倍に向上し、200メートルを超える読取距離を実現。また、1台のSTAR Receiverで、eNode発信機に接続された最大512枚のアンテナが制御可能となり、最大2万5000平方メートルを越える空間をカバーするという。さらに、位置精度が約1〜3mと安価なUHF帯パッシブタグで高い精度の位置検出が可能、適用範囲やシナリオに応じて、低コストのeNode、パッチアンテナを順次接続することが可能で、拡張性と柔軟性に優れるとともに、段階的な導入や展開が容易な点が特徴という。

 Mojix STAR systemスターターキットは、同システムを構成するSTAR Receiver、eNode、アンテナといったハードウェア製品とともに、入出荷ゲート通過検知機能やリアルタイム位置管理機能を提供するオペレーションソフトウェア。同システムが検出したデータをイベント処理し、基幹系システムとの統合を行う「IBM WebSphere Sensor Events」、標準的な物流センターで適用可能な入出荷管理、検品、棚卸といったアプリケーション、そしてこれらの導入、設定、ユーザー環境に合わせたカスタマイズサービスが含まれる。

 日本IBMでは、同社のソフトウェアや関連するサービスとMojix製品を組み合わせて、日本の製造業、流通業、物流業をはじめとする多様な業種、業界のユーザーに提供する。ユーザーは、サプライチェーンマネジメント(SCM)や資産管理の分野において、従来のRFIDシステムでは実現が困難だった商品や人の広範囲な空間における「存在検知」や「リアルタイム位置管理」といったソリューションを安価に構築できるという。

 日本IBMでは今後、Mojix STAR SystemをIBMが提唱する「Smarter Planet」における“機能化 (Instrumented)”を担うセンサソリューションとして位置づけ、基幹システムとのシステムインテグレーションや技術支援を行う予定。また、Mojix STAR Systemによって収集された膨大な現場データの分析サービス、企業間にわたるトレーサビリティサービスを展開していくという。Mojix STAR Systemスターターキットの提供価格は2000万円(税別)からとなる。

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