日立製作所とKDDIは7月12日、携帯電話にUHF帯RFIDリーダ/ライタを搭載した、ユビキタス端末を共同開発したことを発表した。これは、2008年度から進めている総務省の委託研究「ユビキタス端末技術の研究開発」プロジェクトの成果という。
今回共同開発したユビキタス端末は、KDDIの法人向け携帯電話「E05SH」をベースに、日立製作所が技術開発した超小型/低消費電力のUHF帯RFIDリーダ/ライタを搭載している。
KDDIは、E05SHにRFIDリーダ/ライタを実装するため、携帯電話ソフトウェアの機能拡張、RFIDタグの読み書きを制御するミドルウェアの開発などを実施。日立製作所は、RFIDリーダ/ライタの小型化、消費電力を低減させる専用ICチップとアンテナ内蔵モジュールの技術開発などを行った。
なお、このモジュールは、通信距離が数cmのパッシブ型と、通信距離が十数mのアクティブ型の両方に対応している。パッシブ型は、RFIDタグ内に電源を持たず、RFIDリーダ/ライタからの電磁波を利用して動作電力とする方式で、国際標準規格「ISO/IEC18000-6 TypeC」に準拠しているという。アクティブ型は、RFIDタグ内に電源を持ち、その電力を利用して単体で動作する方式だ。
両社によれば、今回開発したユビキタス端末によって、屋外設備の機器管理や保守業務、店舗内での商品棚卸業務、子どもや高齢者などの位置情報確認、観光地での情報取得など、幅広い利用が実現できるとしている。
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