電子書籍の販売を強化しようとする動きの表れなのだろう、Appleが「iBookstore」の米国におけるマーケティングマネージャーを募集している。
勤務地はカリフォルニア州クパチーノのApple本社となり、募集要項によると「当マネージャーはパブリッシャー、作家、戦略的提携企業との共同マーケティングプログラムを通じ、オンラインマーケティングおよびダイレクトマーケティングの両戦術によって、『iBooks』を広く知らせ販売を促進させることに責任を負う」と説明されている。
Appleは、獲得したい人材のタイプをきわめて厳密に指定する。要項には、「この役職に必要なのは、米国におけるiBooks事業を構築する助けとなり、革新的でインパクトがあり費用効果の高いプログラムを生み出す、創造性と熱心さを備えた企業家精神と自発性のある人物だ。これに加えて、パブリッシャーおよびメディアパートナーとの提携マーケティング交渉を前進させていくための、ビジネス上の眼力を備え持っていなければならない」と記されている。応募者は出版業界に精通し、出版社との協力による書籍マーケティングにおける効率的戦術にも精通していることを要する。
Appleは300万台を超える「iPad」を販売し、iBooksは無料のiPadアプリケーションリストの上位にランクされている。しかし、Amazon.comの「Kindle」およびBarnes & Nobleの「nook」のどちらも、iPadのほか「iPhone」や「iPod touch」対応のアプリケーションを提供しており、iBookstoreが実際どれほど健闘しているのは明確ではない。自費出版の作家たちの個人的感触を見るかぎり、Appleが特にライバルAmazonとの差を縮めるには、まだまだ多くのなすべきことがありそうだ。
Appleは米国市場で熾烈な競争に直面しており、もっと早くにこの重要な役割に人材を投入しなかったことに若干驚きを覚えもするが、同社が、世界各国の電子書籍市場でいつのまにか戦略を進めていることは注目に値する。最近では英国とカナダでiBookstoreのマネージャーを雇用し、フランスとドイツ、さらにオーストラリアでもマネージャーの募集をかけている。Appleがこれを重視していることは確かだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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