Hewlett-Packard(HP)は、Dellを上回る買収金額を提示して、ストレージベンダー3Parを手中に収めるつもりだ。
HPは米国時間8月23日、ストレージ専門企業3Parに対し、1株あたり24ドル、総額16億ドルの現金での買収を提案した。これは、1株あたり18ドル、総額11億5000ドルという1週間前のDellの提案を上回る価格だ。
カリフォルニア州フレモントを拠点とする3Parは、企業による必要な分だけのストレージの購入を可能とする仮想化ストレージアレイを販売している。自社のサーバ、ネットワーク、ストレージ要件を統合するためにクラウドを利用する企業の増大に伴い、HPは3Parの仮想化製品で自社の「Converged Infrastructure」データセンターを補完しようと考えている。HPは、3Parのストレージシステムの追加は、同社独自の製品ラインアップの強化と多様化に役立つと述べた。
HPのエグゼクティブバイスプレジデント兼エンタープライズサーバ、ストレージ、およびネットワーク担当ゼネラルマネージャーを務めるDave Donatelli氏は声明で、「HPの提案は、3Parの株主らにより優れた価値をもたらす」と述べた。「われわれのグローバルな事業範囲、堅固な市場ルート、革新への取り組みから、HPほど3Parに適した立場にある企業はない。われわれのConverged Infrastructure戦略は、力強い勢いを示しており、3Parは、特にクラウドおよびスケールアウト市場において、その戦略を促進する」(Donatelli氏)
Dellの提案は、Dellと3Parの両社の取締役会の承認を得て、3Parの社長兼最高経営責任者(CEO)であるDavid Scott氏はすでに、Dellとの将来を構想していたようである。しかし、HPの提案価格はDellよりも33%高く、HPの取締役会の承認を得ている。Scott氏自身もHPの出身であり、3Parの社長兼CEOに就任する前は、HPのストレージプログラムを統括していたことがある。買収に成功すれば、HPはこの買収が2010年末までに完了することを期待している。
HPの最高技術責任者(CTO)であるShane Robison氏は、Scott氏に宛てた書簡で、HPと3Parが最良の組み合わせであると同氏が考える理由を説明した。
Robison氏はその書簡で、「われわれの破格の買収提案以外にも、2社が統合することにより得られる無比の戦略上の利点がある」と記している。「HPは、グローバルな事業範囲と優れた市場ルートを利用して、3Parの製品を世界中の顧客へと届けることにより、3Parの次世代ストレージ技術を活用することのできる唯一の企業である。2社が統合すれば、クラウドまたはスケールアウト環境を導入する顧客に、他社の追随を許さないレベルの性能、効率、拡張性を提供するわれわれの能力が加速化され、両社に新しい成長がもたらされるだろう」(Robison氏)
またRobison氏は、企業の買収および統合におけるHPの実績により、これが最良の組み合わせになるというHPの多大な確信を裏付けていると付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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