Sun Microsystemsは5年にわたり、積極的に外部からの関与を呼びかけオープンソース化を図ることによって、「Solaris」の活性化に注力してきたが、Oracleはこの「OpenSolaris」プロジェクト自体を破棄するつもりのようだ。
OracleがSunのUnix系統のOpenSolarisを買収で獲得したのは2010年1月だが、SunがLinuxの持つ共同による優位性に対抗しようと、Solarisを中心として活気ある外部プログラマーのコミュニティーを構築しようとした姿勢に、Oracleは関心を示していない。OpenSolarisの理事会は何カ月もOracleから連絡のないまま宙に浮いた状態だった。正式なやりとりはなくとも、何の関心も示さないこと自体が間接的ながら、OracleにとってOpenSolarisは優先業務に入っていないと明白に示していた。
OpenSolarisに4年間携わったプログラマーSteven Stallion氏は、米国時間8月13日、OracleにおけるSolarisの新たな位置付けを表すと見られるOracleからのメモを公開した。このメモの信憑性に関する筆者の問い合せに、Oracleからの返答はないが、筆者には本物のように思える。これはOpenSolarisにとってさらなる打撃だ。
SunはSolarisのソースコードをオープンソースライセンスのCommunity Development and Distribution License(CDDL)のもとで公開した。同ライセンスは今後も継続するため、少なくともSolarisの一部はオープンで入手可能ではあるが、ソフトウェアが作成されたときに外部プログラマーが自由に使える形でではなく、あとで利用できるだけのようだ。
「エンタープライズ版Solaris OSのフルリリースの後に、CDDLで承認されたものを始めとするオープンソースライセンスのもとにあるコードの更新版を配布する。こうすることで、新しい技術革新はどこよりも先にわれわれのリリースに登場する。今後は開発と同時にリアルタイムで、Solaris OS全体のソースコードをナイトリーベースで配布するつもりはない」と、Mike Shapiro氏、Bill Nesheim氏、Chris Armes氏の連名によるメモには記されており、さらに、「Solarisバイナリのナイトリービルドや隔週ビルドといったバイナリ配布を提供したり、あるいは『OpenSolaris 2010.05』以降のリリースを提供したりといった予定はない」と述べられている。
この動きはSun製品が新しい所有者のもとでいかに劇的に新形態に変化しているかを示すものだ。Oracleは、容赦ない戦略をとりなれており、株式公開企業として利益優先を第一とする大企業だ。Solarisのみならず「SPARC」や「Java」といった、Sunがコンピューティング業界に革新を起こそうとしたメカニズムだったものが、販売のための単なる事業資産になりつつある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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