UPDATE 検索大手のGoogleは、企業が消費者データをどのように保護すべきかを定めた世界的プライバシー標準の策定において率先している一方で、個人が情報を公開されたことによって実際に損害を受けたか否かに重点を置いた救済策を提案している。
Googleの国際プライバシー担当顧問であるPeter Fleischer氏は現地時間9月14日、フランスのストラスブールで開催される国連教育科学文化機関(UNESCO)の倫理と人権に関する会議で講演し、その中で同社の案を提出することを予定している。Fleischer氏が13日、記者団に対して明らかにした。
この案は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)のプライバシーフレームワークに沿ったものだ。この枠組みは、オーストラリアや香港など、APECに加盟する多くの国と地域が支持しているが、すべての加盟国による支持ではない。Fleischer氏は、不支持である国の一例として、中国を挙げている。
Fleischer氏は電話会議で、「われわれは互いに協力し、一部は法律により、そして一部は自主規制によって最小限の世界標準を策定する必要がある、というのがGoogleの考えだ」とし、さらに「政府と民間が協力する必要がある」と付け加えた。
APECの概要によると、このAPECの枠組みは、「情報プライバシー保護への柔軟なアプローチを促進」すると同時に、「取引に対する障害を未然に防ぎつつ、データの流れにおける説明責任を可能にする実用的なポリシーアプローチ」だという。この枠組みでは以下の9つの原則が定められている。損害の予防、個人情報の完全性、ユーザーへの通知、セキュリティの予防手段、データの収集制限、データへのアクセスと修正、個人情報の利用、説明責任、意志による選択である。
同枠組みの原則の1つである「損害の予防」の下では、「改善策はすべて、損害発生の可能性や損害の深刻さに応じて実施されなければならない」という。
Fleischer氏は、「プライバシー標準は、消費者プライバシーに対する現実の損害に重点を置いたものでなければならない」とし、さらに「他の国々には、観念的な傾向がある(中略)APECが実際に重視しているのはあくまでプライバシーに対する損害であり、抽象概念ではない」と付け加えた。
Fleischer氏は、この考えを説明して回っている。同氏は数日前、スペインのデータ保護当局者と面会した。(同氏によると「(その人物は)高く評価してくれた」という)。また、Fleischer氏はフランスの当局者にも面会したが、その人物も同氏の考えを支持したという。
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