Appleのクラウドがゆっくりと進行しているというニュースは、Googleの競合サービスが急ピッチで進んでいるように見える中で、明らかになった。Googleは先ごろ、デジタル音楽契約の交渉について豊富な経験を持つ弁護士のElizabeth Moody氏を雇った。レコード会社の幹部陣はMoody氏の力添えによって、初のクラウド音楽ライセンシング契約の締結が実現することを期待している。Googleはレーベルの経営陣に対して、2010年に音楽サービスをローンチしたい旨を伝えている。
AppleがGoogleの後を追ってクラウドへ進出することに、それほど差し迫った必要性を感じていないように思えるとしても、それはGoogleが音楽分野で強力なライバルに成長するまでには長い時間がかかるということをAppleが分かっているからかもしれない。AppleのiTunesはオンラインとオフラインを含めた全米の音楽小売ストアの中で最も大きい。
音楽ストアになることを目指すGoogleの動機は、同社のスマートフォンに対する興味によって後押しされているようだ。Googleの「Android」OSはSprintの「Evo」やMotorolaの「Droid」に搭載され、好評を得ている。そして、調査結果はAndroidがiPhoneの強力なライバルであることを示している。Googleは現在、こうしたAndroid搭載携帯電話のユーザーにさまざまなコンテンツを提供したいと考えているようだ。
GoogleとAppleのファンは、両社が自分自身のペースで動く企業だということを肝に銘じておくべきだ。Googleは音楽分野に関して言えば、次から次へと方向性を変えてきた歴史がある。同社は過去に何度か音楽サービスをローンチする予定を示唆したが、後になってその計画を変更したり、無期限保留にしたりしてきた。そうした例の1つが「OneBox」だ。OneBoxはサードパーティーベンダーと協力して、検索エンジンに音楽関連の用語を入力したユーザーに音楽をストリーミング配信したり、ダウンロード提供したりするGoogleの試みである。音楽業界の情報筋によると、OneBoxは最終的に完成した現在のものよりもはるかに大規模な製品になるという印象をGoogleは与えていたという。
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