The Wall Street Journal(WSJ)が買収発表後すぐに報じたところによると、AppleはLalaの幹部陣に対し、「iTunes Storeの音楽戦略を策定する重要なポジション」を与えると述べたという。当時、レーベルの経営陣の中には、Lalaの率直な経営陣、特にマスコミの相手をするのが好きなNguyen氏は、完全な秘密主義を貫く社風で有名なAppleには馴染まないのではないか、と疑問を呈する者がいた。
Lalaの前経営陣をめぐる現在の状況は、以前よりもはっきりしない。音楽業界の情報筋2人が米国時間8月2日に述べたところによると、4人いるLalaの創設者の1人で、買収後Appleに移籍した人物が、先ごろAppleを去ったという。このことがAppleのクラウド計画に影響を及ぼすかどうかは、同情報筋も把握していない。
iTunesユーザーの中にはクラウド音楽サービスのローンチが遅れていることにがっかりしている人もいるかもしれないが、もしAppleがクラウド動画サービスにリソースを集中させているのだとしたら、それは映画やテレビ番組でハードドライブが埋め尽くされているユーザーから歓迎される可能性がある。大手映画会社の情報筋が2010年に述べたところによると、AppleはiTunesユーザーが同社サーバに映画などのメディアを保存できるようにする「デジタルシェルフ」の開発を計画しているという。
この計画にぴったりとはまりそうなパズルのピースがもう1つある。それは、Appleがノースカロライナ州に建設中のサーバファームだ。Appleの幹部陣は7月、最新の決算報告を発表した後に、一部の人々が「果樹園」と呼び始めたこの施設は予定通り2010年中に完成する見通しだと述べている。メディア関係者の多くは、これらのサーバがAppleのクラウドサービスの屋台骨になると推測している。
クラウドストレージは、Appleの売れ筋ガジェットが直面している問題の1つを解決できる可能性がある。Appleは「iPad」「iPod」「iPhone」のユーザーに映画や電子書籍、アプリケーション、楽曲を販売したいと考えているが、これらすべてのデバイスはそうしたコンテンツを保存する能力に限界がある。クラウドはハードドライブの重要性を低下させ、ユーザーがハードドライブの故障時にコンテンツを失ってしまうのを防止するのに役立つかもしれない。
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