Googleは一般向けに声明を発表するとき、ほぼ毎回「オープン」という単語を盛り込むことを好むような企業だが、それでも、同社のアルゴリズムを秘密にしておくことには明確な理由がある。それは、インターネットに暗い面があることを認識するものだ。Googleの検索結果を不正に操作する目的で、既に膨大な金額が使われている。そして、損害を与えることを企んでいるスパマーや強引な業者、犯罪者がどこを標的にすべきかを知ってしまうと、今よりもはるかに容易に損害を与えられるようになるだろう。
また、Googleのアルゴリズムが開示されるのなら、YahooやMicrosoftのアルゴリズムも開示されるべきではないのか。Ask.comも同様である。結局のところ、Googleがスパムで埋め尽くされて全体的に不快なものになり、検索エンジン版のMySpaceのようになってしまうと、トラフィックが先述の他社へ流れて、そこで同じプロセス全体が繰り返されるだけだ。最終的にもたらされる結果は、インターネットにとって良いものにはならないだろう。
Googleは世界の役に立つことをたくさん行ってきたが、それでも同社がたった3人の男性によって管理される営利目的の企業であることに変わりはない。Googleは膨大な数のユーザーにとってインターネットへの入り口であり、インターネットの利点を世界へもたらすのに貢献してきたが、この世界が破滅するまで、一企業が常に一般の人々の利益のために活動すると考えるのは賢明ではないかもしれない。
これは意外に厄介なジレンマだ。そして、アルゴリズムによって解決できる問題ではない可能性が高い。Googleは、同社の誠実さに対する一般の人々の信頼を高める方法を考案し、それと同時に、私利のためにGoogleの検索テクノロジを悪用する機会を求めている人々より常に一歩先を行く必要がある。
そうしないと、ほかの誰かがGoogleに代わってその決定を下し、そのために多くの予期せぬ結果を招く不合理な規制が制定されたり、世界の質問と世界の答えをつなぐリンクとしてのGoogleの効力が弱まったりしてしまうだろう。短期的には、Googleの横柄さに不満を感じていた人々がそれを祝うかもしれない。しかし、将来、Googleに取って代わるライバルがGoogleと同じ目に遭ってしまうことを避けられると考えてはいけない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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