Googleは秘密を守れるのだろうか。
ここから先を読みたくない陰謀論者は、米国家安全保障局(NSA)やWi-Fiデータの誤収集について好きなだけ語ればいい。本記事の実際のテーマは、もっとGoogleの中核的なアイデンティティの根幹にかかわるような問題だ。つまり、Googleが検索結果を不正に操作していないことを規制当局やインターネットパブリッシャーが確認できるように、インターネットを整理する秘密のアルゴリズムを開示することが必要なのか、という問題である。
この件に関して、(少なくとも先週における)最初の攻撃を行ったのは、The New York Times(NYT)だった。NYTは米国時間7月14日付の社説の中で、「インターネットの経済においてGoogleのアルゴリズムが持つ潜在的な影響力は非常に大きい。したがって、Googleの微調整に影響を及ぼす編集方針が検索結果の品質向上だけを目的としており、ほかの同社事業の支援を目的としていないことを確認する方法を模索するのは、意義のあることだ」との見解を示した。そのすぐ後、The Financial Times(FT)はGoogleの検索製品およびユーザーエクスペリエンス担当バイスプレジデントMarissa Mayer氏名義の論説記事を掲載した。Mayer氏はその記事の中で、Googleが自社のアルゴリズムを秘密にしておく必要性を主張し、その理由を「もし検索エンジンが、使用する信号だけでなくアルゴリズムまでも開示することを強制されたら、あるいはもっと悪いことに、標準化されたアルゴリズムの使用を強制されたら、スパマーは間違いなくその知識を悪用してシステムを不正に操作し、検索結果を信頼できないものにしてしまう」とした。
米国内と欧州における連邦政府からの規制ということに関して言えば、この問題はGoogleにとって、一番新しい悩みの種である。同社がFTに論説記事を掲載することにしたのも、おそらくそれが理由だろう。簡単に言うと、Googleの検索結果の誠実さに関して、同社のことを信用しない規制当局者や扇動者、一般の人々が増えているということだ。
何年もの間、Googleが自らの独立性を宣言すれば、一般の人々はその言葉を額面通りに受け取ってきた。それは主に、Googleの検索結果の質がほかの検索サービスのものより優れており、同社の検索結果がウェブ上の多くのビジネスに利益をもたらしてきたためだ。しかし、Googleが2007年、同社自身の垂直検索カテゴリに大きなスポットライトを当てるユニバーサル検索を導入し、メインの検索結果ページ内で画像や地図、製品、ニュースの検索結果を強調するようになってから、不信感が強まっている。
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