グーグルの中国事業免許更新--検閲反対と利益追求のジレンマ - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年07月15日 07時30分

 Googleは先々週、中国政府が望むことを読み取る方法を見いだしたかのような気配を見せた。Google.cnのユーザーを自動的に香港にリダイレクトするというやり方を中国政府が好ましく思っていないことが明確になった時点で方針を変え、Google.com.hkサイトの特別バージョンにアクセスするには、ユーザーがGoogle.cnで自発的にクリックしなければならないようにした。

 確かに、新サイトへの1つの大きなハイパーリンクが表示されるGoogle.cnでできることは実際にそれ以外になかったが、Google.cnにアクセスしたユーザーの代わりにGoogleが選択するのではなく、ユーザー自身にクリックするという選択を行わせることは、中国政府を納得させるのに十分だったようだ。

 よって今後もGoogleは中国で不可解な振る舞いを続けることになる。飲み物の自動販売機をオフィスのどこに置くかに至るまで、ほぼすべての決定を信頼できるデータに基づいて下すという企業にとっては、とりわけ厄介な問題だ。

 このアプローチで中国政府をなだめられるかどうかを判断するためにGoogleが利用できるデータは存在しない。政府官僚がGoogleのサービスをどう受け取るかを判定するアルゴリズムもない。

 さらに、1月に極めて広く知られる形で中国政府との対立を引き起こしたため、Googleは非常に慎重に行動しなければならない。Googleが中国政府と交渉していることを暗に示すだけでも、一部の人々からは検閲に断固反対というGoogleの信念に反する行為と受け取られるだろう。しかし他方で、中国でのビジネス上の利益を追求しようとしないのは愚かなことであり、人口の3分の1未満しかインターネットに接続できる環境にない段階で世界最大のインターネットユーザー数を持つ国に通じる橋を焼き払うようなものだと考える人もいるだろう。今回Googleは、1段階進むごとに国際的事件を引き起こすことになく、そういった利益のバランスをとる方法を見つけたようだ。

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