オープン化するSymbian:進むべき道はコミュニティが決める - (page 3)

--最大のSymbianユーザーであるNokiaが、タブレットなどより大型の機器のプラットフォームとしてSymbianではなくMeeGoを採用していく方針を打ち出しましたが、この動きをどのように見ていますか。

Berkin:Nokiaはもともとマルチプラットフォーム戦略を採っていて、スマートフォンについてはほぼすべてSymbianを使っています。最近になってIntelと共にLinuxベースのMeeGoを打ち出してきましたが、Windowsベースのネットブックも発売しています。デバイスに応じてさまざまなプラットフォームを採用し、幅広い市場で自分たちの製品の位置を固めていこうという戦略だと思いますが、将来タブレットにSymbianを採用するかもしれないという可能性も、選択肢としては除外はしていないだろうと私は推測しております。

--これまでSymbianは端末ベンダーや携帯電話事業者が自社仕様の端末を作るために利用されてきましたが、ベンダーや事業者の意向に関係なく、エンドユーザーレベルで自由にアプリの追加が可能な、フルオープンの「Symbian携帯」が登場する可能性はあるのでしょうか。

Berkin:完全にオープンなSymbian端末も出てきてほしいと考えていますし、私たちはその方向に向かっていっているつもりです。Symbian Foundationとしては、最終的にさまざまな企業の方々、個人の方々が寄与できるようなプラットフォームを目指していきたいと思います。それ(オープン化が進むこと)によって、これまで日本市場に参入していなかった新しい端末ベンダーの参入や、複数の事業者に対しての端末の提供というチャンスを得ることができると思います。

フラットで大きなスクリーンを搭載し、タッチ操作が可能といったスマートフォンが主流となり、エンドユーザーからは形だけ見るとどのプラットフォームを採用した機種も似たようなものに感じられますが、Symbian Foundationにとって理想的なスマートフォンがあるとすれば、それはどのような製品でしょうか。

Berkin:理想的なスマートフォンがどのようなものかは私もわかりません。ただ、いま市場が急速に進化している中で、ハードウェアではなくソフトウェアの力によって、ユーザーが自分で端末をカスタマイズするという使い方が広がっています。

 これは私の個人的な意見ですが、プラットフォームによって基本的な機能が提供され、その上のソフトウェアモジュールによってデバイスを自由自在に変更できる――おそらくこれが今後のスマートフォンの姿になっていくのだと思います。

 将来がどうなっていくのかを予測するのは非常に困難です。だからこそ、私たちのようなFoundationが存在し、少なくとも必要なビルディングブロックや開発環境を整え、コミュニティの中で潤滑剤や触媒のような役割を果たしているわけです。実際のところは、Foundationが業界をこう動かそうと思って動かすことはできず、メンバーのみなさんがこのプラットフォームの上でどんなデバイスを作るかによって業界は動いていくのだと思います。

 ただ、将来のビジョンとして言えるのは、エンドユーザーが販売店に行って端末を手に入れたならば、それを世界のどこからでも好きなネットワークに接続できて、あらゆる好きなソフトをダウンロードして利用できる――これが理想型だと思います。

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