中国の検索サービス「百度」(Baidu、バイドゥ)は、Symbian Foundationと提携することにより、ボックスコンピューティングという同社のビジョンをモバイル市場にもたらすことを期待している。
バイドゥとSymbianは米国時間6月8日、合弁事業を発表した。両者はこの合弁事業で、無線ボックスコンピューティングシステムを開発し、Symbianのモバイルプラットフォームと連動させることを目指す。2009年にバイドゥが初めて提案したボックスコンピューティングは、PCの従来の起動とオペレーティングシステムを省略し、出発点として検索ボックスをユーザーに提供するというものだ。
新しい合弁事業の目標は、単一の検索画面を携帯電話ユーザーに提供し、そこからインターネットと導入済みアプリケーションを検索できるようにすることだ。
研究を進めるため、Symbianは無線スマートフォンプラットフォームに関する専門知識を供与し、バイドゥは検索エンジン開発の経験を提供する予定だ。今回の合意のもと、Symbianは自前の技術を開放し、Symbianのミドルウェアの範囲内でバイドゥが無線ボックスコンピューティングを開発できるようにする。
Symbian FoundationのエグゼクティブディレクターであるLee Williams氏は、声明で次のように述べた。「バイドゥは、特に中国では、インターネットサービスにおいて主導的な役割を果たしてきた。われわれは、バイドゥが拡大するSymbianコミュニティーと専門知識を分かち合うことを期待する。加えて、われわれが期待しているのは、『ボックスコンピューティング』サービスをSymbianのプラットフォームに統合することが、世界中のサードパーティーの開発者を刺激し、彼らが市場を主導するバイドゥの検索プラットフォームを活用して、革新的アプリケーションの大きな集合体を作り出すようになることだ」
Symbianとバイドゥは、モバイルボックスコンピューティングを推進するため、ボックスコンピューティングプラットフォームを携帯電話メーカーや通信事業者に提供するとともに、サードパーティーの開発者に対し、各自のアプリにボックスコンピューティングを追加するよう働きかけると述べた。両者はまた、合弁事業「Box Computing Joint Laboratory」の成果をモバイル業界全体と分かち合い、Symbianのオープンソースの取り組みを通じて利用できるようにすると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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