オープン化するSymbian:進むべき道はコミュニティが決める - (page 2)

 確かに、これまではNokiaがSymbianプラットフォームに最も大きな貢献をしてきました。ただ、現在のSymbianには誰でも貢献が可能で、特にここ1〜2年でさまざまな企業による寄与が大きくなっており、日本企業からもかなりの部分で貢献をいただいています。また、ボード(理事会)は10のメンバーで構成されていますが、議決権はNokiaも1票、NTTドコモも1票、富士通も1票という具合で、特にどこかの会社の力が大きいということはありません。

--日本でもSymbianを搭載した機種は数多く存在しますが、メニュー画面などを見てもいわゆる「日本式」の携帯電話であり、Symbianが使われていることをエンドユーザーが知るすべはありません。端末ベンダーや携帯電話事業者といった業界内だけでなくエンドユーザーに対しても認知を広げていきたいということですが、Symbianのメリットをどのように伝えていくのでしょうか。

Berkin:我々もその課題については日々考えているところです。これまでSymbian側は、携帯電話事業者に対して「こうしてほしい」という制約を言わないままにきたわけです。つまり、(プラットフォーム側から強い意向を示すのではなく)事業者の要求にあわせてカスタマイズしやすくすることを常に考えており、それはSymbianの美徳でもありました。しかし状況は変わりつつあり、エンドユーザーに対してどういう訴求をしていけばいいのかを考えなければなりません。どうやってもっと認知してもらうかは目下方策を検討している段階ですが、少なくともSymbianというものを広く認知してもらいたいという意識は、非常に強く持っています。

--Androidは携帯電話に限らずあらゆる情報機器のソフトウェアプラットフォームとして利用できることをメリットのひとつとしていますが、Symbianは例えば「iPad」のようなタブレット型の機器や、情報家電などに適用範囲を広げる考えはないのでしょうか?

Berkin:Symbianをテレビ、タブレット、車載機器などに使おうというアイデアは、私個人としてはそうなっていくだろうと思っていますが、実際はメンバー企業の考え次第です。Symbianプラットフォームはオープンソースになりましたので、このプラットフォームがどの方向へ行くかは、Symbian Foundaitonがどうしたいかということではなく、コミュニティが完全に支配しています。

 技術的には、タブレットのようなより大きな機器も含めた画面解像度に対応していますし、そのような機器のためのさまざまなチップセットをサポートしています。タブレットのような新しい機器は絶対数で言えばまだそれほどの出荷台数はないと思いますが、Appleが今までにない驚くべき製品を出してきたことで、この市場に参入しようと考える企業は増えていると思います。市場が進化して新しい機器の出荷台数が増えれば、それにともなってSymbianも携帯電話以外の機器への参入も考えられると思っています。私たちは、まさにその市場に向けたプラットフォームを提供できていると思っています。

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