オープン化するSymbian:進むべき道はコミュニティが決める

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 NokiaやNTTドコモの端末に採用されている携帯電話プラットフォームのSymbianは、その主体を非営利団体のSymbian Foundationに移している。かつて商用ソフトウエアとして提供されていたSymbian OSをオープンソース化する作業を進めていたが、先般搭載製品が発表された最新バージョン「Symbian^3」で、すべてのコンポーネントのオープンソース化を完了した。

 日本市場に関しては、NTTドコモの夏の新製品に「Symbian^2」搭載機種が登場したほか、ルネサスエレクトロニクスがSymbian Foundationに正式参加し、携帯電話向けチップセットの海外展開を視野に入れるといった話題が相次いでいる。

 一方で、iPhoneの人気やAndroid端末の台頭などに後押しされる形で、プラットフォーム間での主導権争いも激しくなっており、その競争は携帯電話だけでなくあらゆる情報機器の市場に広がりを見せている。高機能携帯電話のプラットフォームとして大きなシェアを持つSymbianは、この市場の変化をどのようにとらえ、対応していこうと考えているのか。Symbian FoundationのLeadership Teamでアライアンスやエコシステムといった戦略を担当するLawrence Berkin氏に聞いた。

--有償の商品だったSymbian OSを、誰でも自由に使える無償のオープンソースソフトウェアにした理由をあらためて教えてください。

Lawrence Berkin氏 Lawrence Berkin氏

Berkin:Symbian^3はEclipse Public Licenceで公開されていますが、これまで商用だった有償のソフトウェアがオープンソース化された事例としては最大規模と言えると思います。開発者コミュニティの力を集約できれば、イノベーションのサイクルを従来より短くすることが可能であり、新しい機能をこれまで以上に早く追加できるようになります。企業が自社の製品に外部のソフトウェアを利用するときは、コードを精査して必要なカスタマイズを加えますが、このようなこともオープンソース化によって非常にやりやすくなります。つまり、オープンソース化はイノベーションを加速するとともに、プラットフォームをよりビジネスフレンドリーなものにしていくと考えています。

--Symbian^2まではSymbian Foundationのメンバー企業だけが使えるソフトウェアでしたが、Symbian^3からは完全なオープンソースになりました。となると、Foundationのメンバーであることにはどのようなメリットがあると言えるのでしょうか。

Berkin:メンバー企業は、Symbianプラットフォーム自体により深い貢献をしていただくことができますし、Foundationの中に設けられた各委員会で相応の役割を果たしていただくチャンスを得ることもできます。また、メンバーになることで、メンバー間のさまざまなやりとりがより活性化します。メンバー間にはより多くのビジネスの機会がありますし、Symbian Foundationのメンバーであることが公になることで、対外的にもその企業にとってのビジネス機会が増えるでしょう。

--以前のSymbian OSには「S60」「UIQ」「MOAP(S)」といったユーザーインターフェースがありましたが、オープンソース化の作業の中で、これらは実質的にNokiaのS60に集約される形でひとつになりました。NTTドコモのMOAP(S)がなくなったことで、日本企業のSymbianプラットフォームに対する影響力が小さくなってしまうといったおそれはないのでしょうか。

Berkin:ご心配はごもっともですが、Symbianプラットフォームがひとつに統合されたことで、開発者の方々はSymbian対応のアプリケーションを書いていただければ、全世界のさまざまな機種に対応することができるようになります。つまり、これまではアプリを開発しても日本市場でしか展開できなかったのが、グローバルのエンドユーザーをターゲットにできるようになります。このような大きなメリットがあると考えています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加