DNP、電子出版など出版社の著作権契約管理業務をクラウド型BPOサービスとして提供

富永恭子(ロビンソン)2010年07月05日 19時52分

 大日本印刷(DNP)は7月5日、コンテンツの著作権契約管理業務を代行するビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービスを、今秋よりクラウド型サービスとして提供開始すると発表した。

 昨今の携帯電話やスマートフォン、電子書籍端末、情報家電の登場により、多くのメディアのデジタル化が進み、それに伴うコンテンツの細分化販売、情報端末や流通経路の多様化、読者のコンテンツ購入形態の多様化、著者への印税支払方式、頻度などの多様化によって、出版社の契約管理対象項目が増加している。出版社にとって、それに伴う著作権契約管理業務は、従来に比べ煩雑化し大きな業務負荷となっているという。

 DNPが開始するサービスは、書籍や雑誌の電子出版コンテンツや映像、ゲーム、キャラクターなど、出版社が管理する多様なコンテンツの著作権契約や原稿料契約をデータベース化し、その契約に基づいて、印税計算から支払通知書の作成・発送業務まで、著作権管理に関わる業務をトータルで受託するもの。同サービスの利用により、オペレーションコストの削減、業務の効率化、データの正確性の確保とともに、今後予想されるメディアの多様化への迅速かつ柔軟な対応が可能になるという。

 出版社は、出版社ごとに用意した専用のウェブサイトに、各コンテンツの印税率、原稿料などの契約内容、販売や製造実績を入力するだけで、自動的に印税計算とともに、支払い通知書の作成、発送までの作業発注を行えるという。また、既存の出版物の著作権契約を過去に遡って同データベースに取り込むことも可能という。

 取り扱うデータには、著作者の個人情報や出版社の販売情報などの機密情報が含まれるため、ソフトウェアおよび、データの保管、運用はDNPのIDC(インターネットデータセンター)で行い、データ入力や通知書の出力はDNP内のセキュリティ施設のみを使用するなど、情報セキュリティの確保にも留意しているという。

 同サービスの提供価格は、受託業務の範囲と規模により、月額30万円から800万程度を予定。また、DNPでは同サービスで蓄積されたすべての販売情報を、データ分析ツールを使ったマーケティング戦略データとして、別途有償で顧客企業へ提供する計画という。同社は、同サービスについて2012年に5億円の売り上げを目指すとしている。

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