大日本印刷(DNP)は6月25日、42型ディスプレイを12台連動させたデジタルサイネージシステム「トールビジョン」を開発したと発表した。JR東日本企画と共同で7月17日から2010年6月末まで、トールビジョンによる実証実験をJR仙台駅で実施する。
トールビジョンは、42型ディスプレイを縦に2台、横に6列配置し、12面のディスプレイに映像を表示する。また、用途に合わせて縦に6分割、上下に2分割して異なる映像を表示することも可能。タッチパネルや「おサイフケータイ」に対応し、パンフレットやポスターなどの広告媒体と組み合わせた情報提供が可能となる。
このほか、トールビジョンでは、広告の効果を測定するシステムを搭載。視聴者の性別や年齢層を自動で識別する顔認識システムでは、時間帯による視聴者属性を集計できる。また、パンフレットラック用の重量センサーでは、パンフレットが減る量を自動で感知し、コンテンツと照合した効果を測定できるという。DNPでは、これらのシステムを用いた屋外広告の効率的な運用を支援していくとしている。
7月17日から、実証実験としてJR仙台駅に開設する「i-ステーション仙台」では、交通新聞社が提供する時刻表や駅構内図、駅周辺地図、路線図のコンテンツを表示。おサイフケータイには、仙台駅発の時刻表や駅周辺地図を提供すると共に、関連するパンフレットなどを用意し、より詳細な情報を提供していくという。DNPとJR東日本企画では、実証実験の結果を元に、映像コンテンツの改善やマーケティングに活用していくとしている。
トールビジョンは8月より、販売またはレンタルとして提供を開始する。販売価格は約800万円を想定しており、コンテンツ制作費は別途。レンタル価格は未定。DNPでは、同サイズのディスプレイ導入と比較して、低コストで設置できるとしている。駅や空港、ショッピングモールなどの大型施設を対象に、2010年度には10億円の売上を見込んでいる。
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