シスコ、電力管理システムで家庭用スマートグリッド市場に参入

文:Martin LaMonica(CNET News) 翻訳校正:湯本牧子、高森郁哉2010年06月30日 12時31分

 Cisco Systemsは米国時間6月29日、家庭用エネルギー管理システム「Cisco Home Energy Management」を発表した。電力会社Duke Energyの顧客と協力してテストを行い、他の電力会社にも提供する計画だという。

 両社は、Ciscoが「Home Energy Controller(HEC)」を提供すると述べた。HECはカウンタートップ型のタッチスクリーン式ディスプレイで、ユーザーはこれを使って電気の使用状況を測定できるほか、家庭用エネルギーをプログラムで管理して無駄を省くとともに、オフピーク時の料金設定を有効活用できる。

 Dukeは、すでにスマートメーターを導入している米ノースカロライナ州シャーロットおよびオハイオ州シンシナティの顧客と協力して、2010年夏から1年間にわたり、各種機器と関連バックエンドサービスを試験的にテストする計画だ。

 HECは、家庭用ネットワークで結ばれた機器のハブとして動作する。機器はそれぞれのエネルギー消費をレポートできるほか、ディスプレイから機器を無線で制御することも可能だ。既存のアプライアンスは、「ZigBee」プロトコルを介してHECと通信する双方向型のサーモスタットやスマートプラグを用いて接続できる。Ciscoは、他の無線プロトコルもいずれサポートしていく計画だと述べた。

 ユーザーはHECを使い、需要応答プログラムに参加することもできる。電力会社は、このプログラムを通じて、ピーク時の電力消費を抑制するためのリベートを提供する。例を挙げると、食器洗い機が真夜中に運転するよう時間設定したり、暑い日には給湯器の電源を一時的に切って送電網の負荷を軽減したりできる。

 Ciscoは、製品一式を900ドルで電力会社に販売する計画で、電力会社はこれをエネルギー効率化ツールとして消費者に提供する予定だ。DukeとCiscoは、アプライアンスおよび電子機器メーカーと協力することで、他の機器もホームオートメーションネットワークに接続できるようにする計画だと述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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