Microsoftはまた、携帯電話市場についていくのに苦労してきた。同社はAppleやGoogleよりずっと前から、携帯電話を動かすソフトウェアを作っていたが、現在はiPhoneや「Android」、そして「Symbian」やResearch In Motion(RIM)の「Blackberry」を追う状況だ。この戦いは携帯電話事業だけでも相当大変だったが、今やAppleの「iOS」とAndroidベースのデバイスは、タブレット分野へと進出している。
これはWindowsチームにとって、将来に希望が持てないような状況では必ずしもない。iPadは、発売当初としては成功しているが、比較的ニッチな製品であり、それは近い将来も変わらない可能性が高い。IDCは、iPadやその競合製品を含むメディアタブレットの2011年の出荷台数を、1680万台と予測している。一方、ネットブック型コンピュータの出荷台数はその3倍近くだ(4700万台)。IDCは全体として、2011年には4億台超のPCが販売され、その95%がWindowsマシンだと予測している。
Microsoftはコンシューマー向けタブレットで役割を果たすことをあきらめてはいない。同社は台湾で開催のCOMPUTEX TAIPEI 2010で、「Windows 7」だけでなく「Windows CE」についても、タブレットへの適合性を話題にした上で、プロトタイプを数台公開している。また東芝は先週、Windows 7搭載のデュアルスクリーン型タブレット「libretto」を発表した。東芝は8月に出荷予定だとしている。
しかし、モバイル向けOSがPC市場に進出し始めている中、今のところ、Microsoftにとってはいくぶん不吉な兆候が見られる。Hewlett-Packard(HP)は一時期、計画中のWindows 7搭載タブレットを大々的に宣伝していた。だが、その後HPはPalmと同社のOS「webOS」の買収を決め、現在ではwebOSをスマートフォンだけでなく、タブレットやプリンタにも搭載する計画を発表している。以前はWindowsと「Windows Phone」の両方に取り組んでいたHPだが、今はWindows 7ベースの「HP Slate」について語ることを完全に拒んでおり、このデバイスは日の目を見ずに終わるのではという気配が濃厚だ。
Androidも勢いを増し、タブレット分野に進出してきている。欧州ではDellが「Dell Streak」の出荷を開始している。7月には米国でもこの5インチのミニタブレットの販売を開始する予定だ。
そしてもちろんAppleが黙っているとは思えない。Steve Jobs氏は5月、完成度を高めたiPadのようなデバイスを使うユーザーの数が、数年以内に従来のMacやPCを使うユーザーを上回るだろうと予測している。
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