Microsoftの「Origami」は現在のタブレットPCより安価かつ小型になるが、サイズや価格、バッテリ寿命などに関して同社が目指している、最終的な目標を達成するものではなさそうだ。
同社会長のBill Gatesは、2005年に開催されたハードウェア関連のカンファレンスで、きわめて携帯性の高い同デバイスのコンセプトを発表していた。同氏はカンファレンスにおいて、同デバイスの重量は1ポンド(約450グラム)以下で、1日中利用できるバッテリを搭載し、価格は800ドルを切る500ドル程度になると発言した。
話題となっているOrigami Projectに関して、Microsoftは今もこうした目標を掲げている。しかし、2006年4月末までに発表される予定の初代Origamiデバイスは、ここまで高い目標を達成したものではないようだ。同デバイスの初期版に詳しい消息筋によると、価格は約800ドルからとなり、バッテリ寿命も4時間程度だという。
当のMicrosoftは、2005年の「Windows Hardware Engineering Conference」で初めて公表した、同小型PCのコンセプトを今後も発展させていくことを認めた以外は、多くを語っていない。通常どおり、Microsoftは同デバイスをみずから製造するのではなく、ハードウェアを実際に開発する他社に対して、ソフトウェアを提供していく予定だ。
MicrosoftはOrigami専用の簡単なウェブサイトを立ち上げたが、これが人々の好奇心を煽っている。同サイトでは、米国時間3月2日に何らかの情報を提供することが示唆されているが、おそらくは、ドイツのハノーバーで「CeBIT」見本市が開かれる3月9日〜15日頃にならなければ、完全な詳細は明かされないと見られている。
初めて販売される製品には、市場で量販されている製品が得られるコスト面でのメリットがないということが、Origamiデバイスの価格を低く設定するのが難しい理由の1つになっている。ノートPC用のドライブや手頃な価格のプロセッサ、よく使われるメモリといった、標準的なPC部品を利用できれば、Origamiデバイスメーカーはコストを抑えられる。だが、特にスクリーンや一定の無線技術を組み合わせることを考えた場合、そうしたコンポーネントが利用できてもコストはかさんでしまう。
それでもなお、Microsoftは同デバイスの初代機を、これまでもタブレットPCの採用により前向きだった業種や教育市場へ提供するのと並行して、小売りでも積極的に販売していくと見られている。
Origamiデバイスを購入するユーザーは、サイズは大きいものの、高速プロセッサや大型ディスプレイ、完全なキーボードを備える、ローエンドなラップトップと比べて、同デバイスの小型性のメリットが上回っているかどうかを見極めなければならない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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