アドビの64ビット版「Flash Player」の行方--提供中止の理由と今後の方針 - (page 3)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月25日 07時30分

 Adobeはこれまで、いくつかのFlashの開発に積極的な姿勢を示してきた。例えば、Flash PlayerでGoogleの動画ストリーミング技術「WebM」をサポートし、1年以内に多くの人々が利用できるようにするとしている。しかしNguyen氏は、64ビット版Flash Playerの提供時期については言明しなかった。

姿は消したが忘れ去られたわけではない

 Adobeは、64ビット版Flash Playerを求めるLinuxユーザーの声に、Flash Playerのプレリリースバージョンで応えた。しかし6月前半の「Flash Player 10.1」のリリースと同時に、その64ビット版の提供を中止した。

 これはなぜだろうか。この変更について、Adobeは次のように説明している。「64ビット版Linux向けFlash Player 10のLabsプログラムを、一時的に中止した。目下64ビット版Linux向けFlash Playerに重要なアーキテクチャ上の変更と追加のセキュリティ強化を行っているためだ」

 Linux向けに限らず、64ビット版Flashの復活を阻んでいるものは何だろうか。Nguyen氏は次のように、問題はエンジンのコア部分ではなく、関連ソフトウェアにあると述べている。

 32ビットから64ビットへの移行に際してまず思い浮かぶ問題は、実際のメモリアドレスのサイズだが、これについては、しばらく前に当社のエンジニアたちが対処した。主な問題はライブラリにあった。Flash Playerでは、音声や動画の再生やハードウェアアクセラレーションといった機能に関してコードライブラリが大いに使用される。Flash Playerで使用されるライブラリが64ビットで使用できなければ、新しいライブラリのためにコードを書き直さなければならない。Flash Playerはパワフルで美しいアプリやコンテンツの作成に使用されているが、それだけでなくさまざまなメディアを再生できる。例えば、旧バージョン「Flash Player 6」の動画クリップも再生できるし、ハードウェアアクセラレーションにより最新の最高水準のH.264 HD動画ライブストリーミングも再生できる。その再生を64ビットでネイティブに行うには、使用される多くのライブラリがすべて64ビットで利用可能であるか、または64ビット用に書き直されていなければならない。例えばMac OS Xについては、32ビットのみの古い「Carbon」ライブラリを使用していたコードを書き直して、代わりに新しい「Cocoa」ライブラリが使用されるようにした。現在Flash Player 10.1は、非Cocoaベースのブラウザ向けに追加した互換性コードを除き、完全にCocoa向けに書き直されており、これで64ビット版Flash Playerの下地が整ったといえる。

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