日本でも提供が開始されたGoogleの広告管理ソフト「DoubleClick for Publishers(DFP)スタンダード」。純広告(直接販売される広告)やGoogle AdSenseなどの広告ネットワークを組み合わせて使うことができる。自動的に最も収益性の高い広告を配信してくれるなど、効率的で収益性の高い広告管理・配信を可能にしている。
今回はこのDFPスタンダードについて、ベータ版をすでに試しているQLife、四国新聞社、イーストビームの導入後の感想とともにご紹介する。
そもそも、なぜDFPスタンダードのようなアドサーバが必要とされるようになっているのか。一言でいえば、それは、ビジネスの安定に純広告と広告ネットワークの組み合わせが大きな効果を表しているからである。
いわゆる純広告はインターネット広告の柱の1つである。今回、感想を伺った3社も当然純広告を扱っている。しかしそれだけではない。
「ネット広告市場は拡大していると言われているが、純広分野に限って言えば逆に媒体選定が厳しくなっている。増加する広告の利益を享受できているのは、現状一部のメガサイトだけ。弊社のような中堅サイト向けの出稿は逆にシビアなったように感じる」
こう語るのは、病院検索サイト「QLife」を運営するQLifeメディア企画室エグゼクティブプロデューサーの峯啓真氏である。
「営業リソースの問題もあり現在営業は高付加価値のある案件と連動した広告獲得に専念した。一方で通常のネットワーク広告は、ほぼAdSenseに任せる形ですみ分けたところ、非常に安定した収益を得ることが可能になった」(峯氏)
四国新聞社でも、安定した収益を獲得するため、純広告とAdSenseのような広告ネットワークとを組み合わせている。
「ネット広告専用の営業は配置しているが、それ以外の業務と並行しているため、クライアントからの問い合わせに応じてプランを作成し提案する、という形にしている。ただ、広告枠に対するセールス率はあまり高くないこと、また純広告単価は高いものの、営業コストを考えると利益は少ないことから、その穴埋めとして広告ネットワークやAdSenseを利用している。特に利益率の視点で見ると、AdSenseはずば抜けており、広告ネットワークの中に占める割合は大きい」(四国新聞社メディア事業部の英誠一朗氏)
またゲーム攻略情報交換サイト「ワザップ!」を運営するイーストビームでは、ページの種類によって純広告とAdSenseとを使い分けている。
「家庭用ゲームやオンラインゲームタイトルの発売事前告知記事、ゲームレビュー記事を中心に純広告を取り扱っている。AdSenseでもゲーム系の広告はもちろん配信されるが、ワザップ!のメインユーザーである10〜20代の男性に合致するゲーム以外の広告配信が配信されるため、クリック率も高く収益性も高いので満足している」(イーストビーム広告・マーケティング担当マネージャーの立花康裕氏)
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