デジタル時代の企業活動の在り方--厳しくなる「消費者の見る目」 - (page 3)

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月17日 07時30分

 この投稿は間違いなく、アルファベット2文字の名前を持つ企業、つまりBPのもとへ届くだろう。

BPロゴ

 Deepwater Horizon石油掘削施設の爆発と、同地域で未だに拡大している危機的状況は、広大な範囲の海岸線の環境に大きな被害をもたらしているが、それは進歩的なイメージを前面に出そうとする企業の試みに対する一般の人々の信頼も傷つけた。BPが10年近い歳月と莫大なマーケティング費用を費やして、同社のブランドイメージを「石油を越えて」に変更し、緑色と黄色に輝く太陽をあしらったロゴ(右の画像)を採用したのは、そういう進歩的なイメージのためだった。一部の石油会社はいまだに邪悪で、それを悪びれてもいないようだ。BPは地球温暖化が起こっている現実を初めて認めた石油会社であり、代替エネルギー源へ投資する必要性についても、率直な意見を述べていたようだ。そのため、消費者からは「グリーン」なブランドとして認知されていた。

 同カンファレンス自体の言葉を借りると、それは非常に空虚な約束にすぎなかった。

 #Promiseでは極めて明白だったにもかかわらず、壇上で語られることはほとんどなかった真実がある。それは、どんな邪悪な企業でも風力発電所を建設して、それを社会的責任と呼ぶことができる、ということだ。邪悪な企業がそんなことをしたからといって、邪悪性が消えるわけではない。グリーンな取り組みや「社会的責任を果たす」取り組みを推進している大企業が、その過程で必ずしも自らが及ぼしている悪影響を軽減しているわけではない、という不信感が広がっている。決して満足することのないTwitterユーザーの@pickettfurnitur(最終的に、「企業のグリーンウォッシング」は聞き飽きたとして、怒って退場した)は#Promiseの開催中に、「持続可能性に関するプレゼンテーションでは、グリーンな製造と消費の削減への言及が全くないことが目立った」とコメントした。言い換えると、長期にわたって悪影響を及ぼす商慣行をチャリティへの寄付でごまかすのではなくて、そうした商慣行を根本的に変えてしまう施策への言及がなかった、ということだ。

 保健医療分野の起業支援がPepsiCoのProject Refreshの一環であるのなら、同社は極めて不健康な飲食物のメーカーであるという自らの地位をProject Refreshとどのように調和させるのか、という問題もTwitterを通して持ち上がった。

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