デジタル時代の企業活動の在り方--厳しくなる「消費者の見る目」

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月17日 07時30分

 ニューヨーク発--すべての人を満足させることはできない。特にインターネット上では絶対に不可能だ。しかし、デジタル時代の企業責任に関するカンファレンス#Promise(そう、Twitterの公式機能であるハッシュタグが付いている)では、「良いこと」を行おうとする企業の試みに対して、消費者がこれまで以上のことを期待するようになっていることが顕在化した。#Promiseは米国時間6月10日、Internet Week New Yorkと合同で開催された。

#Promise

 同カンファレンスの基調講演を行い、作家やビジネス理論家として活動するDouglas Rushkoff氏は正午の講演の中で、「コーポレートコミュニケーション自体はもはや重要ではない。実際に重要なのは、コーポレートアクティビティだけだ。企業が実際に何かをすれば、それは外部に伝わる。企業は自らの決定によって透明であろうとするのではなく、すでに透明な存在なのだ」と語った。

 Rushkoff氏が話した内容は少々辛辣だった。というのも、同カンファレンスの午前と午後の講演では、主に中規模企業と大企業のマーケティング部門の幹部たちが、自社の使命を新たにして、気候変動への対処や地元コミュニティーへの恩返し、Facebookとブログの時代におけるコミュニケーションなどに取り組んでいる現状について話したためだ。Rushkoff氏は誰も名指ししなかった。しかし、同氏はおそらく、目にしたすべてのことを信じたわけではないだろう。そして、それはその場にいたすべての人も同じだった。

 ソーシャルメディアの台頭は、新しいメインストリームの「意識」と連動してきた。それは、Whole Foods Marketと「不都合な真実」の両方の要素を含むものであり、地域、持続可能性、未来型思考を重視するというものだ。そして、その2つの要素の組み合わせは、巨大企業など進歩的なイメージを前面に押し出したい企業にとって、広報活動における重要な勝利を意味するようになった。

 #Promiseではこの傾向が特に顕著だった。同カンファレンスはThe Paley Center for MediaのThinkSocial部門が主催したもので、参加した各企業は、講演の中で企業の社会的責任に関する具体的な「約束」を提示するよう奨励されていた。カンファレンスのチャータースポンサーであるPepsiCoは、ソーシャル分野の起業を支援する同社のブログ主導型プロジェクト「Refresh Everything」について詳細に説明した。これは、2010年のSouth by Southwestで大々的に宣伝されていたプロジェクトだ。General Electric(GE)のマーケティングコミュニケーション担当グローバルディレクターであるLinda Boff氏は、同社の「Ecomagination」に続くキャンペーンであり、保健医療に注力した「Healthymagination」について語った。そして、Twitterの「ソーシャル革新」の権威者は、社内の「Hope140」プログラムを通して非営利団体を支援する取り組みについて話した。

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