General Motors(GM)副会長Robert Lutz氏の地球温暖化は「まったくのたわ言」との発言がウェブ上で大きな波紋を呼んでいる。この事態を受け、Lutz氏は社外の人々に対し、同氏の発言ではなく、活動内容でGMを判断するよう呼びかけている。
D Magazineの1月30日付けの記事によると、Lutz氏は、地球温暖化は「まったくのたわ言」と述べ、さらに「私は(地球温暖化に対する)懐疑派であり、否定派ではない。そうは言っても、私の意見などどうでもいい……。(二酸化炭素の議論)よりも、輸入石油から(他の燃料に)切り替えたいという願望が私のより強い原動力になっている」と語った。Lutz氏がこの発言を行った会議に居合わせたGMの広報担当者も、後にLutz氏がこの発言を行った事実を認めている。
このコメントに対する怒りの声があまりに大きかったため、Lutz氏は21日にブログで、この発言はあくまでLutz氏自身の個人的見解であり、GMの見解ではないと弁明した。
「General Motorsは、環境方程式から自動車やトラックを除外することに専念している。そして、まさかと思うだろうが、私自身もその目標に向け努めている。これは、われわれ、皆さん、そして当然地球にとっても正しいことだ。私の目標は、自動車業界を(地球温暖化の)議論の対象から完全に取り除くことだ。GMはまさにその目標に取り組んでおり、今後もE85、ハイブリッド、水素、燃料電池、さらに自動車の電化を通じて、目標に向け努力を続けていくつもりだ」(Lutz氏)
今回の出来事は、気候変動に対する懸念が高まる中、消費者が地球温暖化の問題に対していかに熱心かが浮き彫りになった。しかし、その一方で、多くの企業がこれまで、この問題に対し実際にどのような立場を取ってきたかも明確になった。
企業は、ハイブリッドカーの好調な売れ行きが示してきた通り、消費者が環境にやさしい製品を求めていることを十分認識している。だからこそ企業は、時にグリーンウォッシング(環境への配慮を装う行為)にたよってでも、消費者の期待に応えようとしているのだ。
環境保護に熱心な人がいる一方で、政治的理由で輸入石油の削減に関心を持つ人もいる。そして最後に、人々がよりクリーンなエネルギーや燃料を支持する第3の主な理由は、エネルギー価格の高騰だ。
ケンブリッジエネルギー研究所(CERA)所長のDaniel Yergin氏は25日に行ったスピーチで、気候変動、エネルギー価格の高騰、エネルギー安全保障という3つの要因が、クリーンエネルギーへの大きな経済変化の原動力になっていると語った。Yergin氏は、2030年までに再生可能なエネルギーやバイオ燃料がエネルギー消費全体の16%を占めるようになると指摘する。
CERAは、石油企業、ガス会社、電力会社といった巨大なエネルギー業界の企業と密接なつながりを持つ。
環境にやさしい製品を追求している企業は、上記の企業以外にも数多く存在する。しかし、GMやCERAがクリーン技術こそ未来の技術と主張するなら、それは単にうわべだけの発言ではない可能性が高い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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